ウーブンシティの期待と懸念 - TOYOTA Woven City
12月9日、トヨタ自動車が新型FCV MIRAI の発表を行った。基本性能の向上のみならず、走行中に空気清浄を行うマイナスエミッションという試みは不安もあるが興味をそそられる。
新しい挑戦を続けるトヨタ自動車が、静岡県裾野市に技術実証都市 ウーブンシティ を建設するという。これについては期待もある一方、懸念も多い。
厳しい天候
この地を知る者としてトヨタ自動車に提言したいのは、ウーブンシティ建設地の天候は他の地域と比較し厳しいということだ。裾野市は富士山の南東に位置し、富士山から吹き降ろす風は気象を様々に変化させる。夏季は激しい雷雨、冬季は大雪をもたらす。
この地は積乱雲が急速に発達する。ゲリラ豪雨は一般家屋の雨漏りを引き起こすほどであり、雷はあらゆる電源系統や通信インフラを乱す。対策を講じなければ情報量の多い IT 関連のインフラは毎年水損、焼損することとなろう。
この地は雪も多い。平成26年2月には記録的な降雪があった。この時、東名高速道路、国道246号の交通は完全に麻痺し、多くの人々が車両を路上で放棄するにいたった。先進技術で制御されたインフラが、電力を主としたインフラが積雪に対応できるのか不安がある。
鳥獣被害
ウーブンシティ建設地は富士山の麓であり、動物が多い。私自身、この地では数多くの動植物を観察した。
この地で懸念される鳥獣被害は下記のとおり。
ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、ホンドギツネ、イタチ、ハクビシン、アナグマ
市内の森林、道路に出没する。構造物や植生の破壊、糞による汚損、交通事故などを引き起こす可能性がある。屋外のセキュリティ関係機器の誤作動を引き起こすこともあるだろう。敷地内での捕獲は公的機関や狩猟経験者の介入が必要になるだろう。
ドブネズミ、クマネズミ、ヤマネ
一般的に駆除、防除の対象だが、森林が多いため屋外からの侵入を防ぐのが難しい。衛生面でも駆除が必要だが、最も危惧しなければならないのが光ファイバー系の通信インフラである。齧歯類はなぜか光ファイバーを好んでかじり切断する。私自身、宅内装置の光ファイバーをクマネズミに3度切断された。
カワラバト、ハクセキレイ、イソヒヨドリ、ツバメ、イワツバメ
これらは人工物に好んで巣を作り、糞や巣材により屋内が汚損される。一度巣を作るとなかなかその場を離れようとしないため防除が必要。私見だが、イソヒヨドリは積極的に屋内への侵入を試みる傾向があり、もっとも厄介である。
アブラコウモリ
夜間、虫を求めて飛来する。冬季には暖を求め屋内に入ってくることが多く、天井構造物を汚損したり、電気的短絡を引き起こすことがある。超音波発生器が一時的には有効で防除は鳥類より簡易。何らかのウィルスを媒介する可能性があるため防除すべき。
シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ
人に嫌悪感を与えるだけでなく、電気工作物内に侵入されると短絡を引き起こす可能性がある。
ヤガ、カメムシ
これらは虫は照明に集まり不快なだけでなく、死骸となると処理がさらに不快である。蛾や甲虫は照明を求めて飛来し、屋内に入るとセンサー類の誤作動を引き起こす。冬季、虫は冬眠するものと思われているが、屋内では気温が高い日などにも活動する。
施設をいくらハイテク化しようともこれら動物を完全に防除することは難しい。ハイテク技術の人材だけでなく、動植物の専門家も招致してはいかがだろうか。
周辺環境
この地はやはり特殊である。特に際立つのが陸上自衛隊の東富士演習所だ。特科の演習時には雷鳴とも判別がつかぬ振動と轟音が発生し、航空機が上空を往来する。自衛隊のみでなく、米国海兵隊の C130 や MV22 も上空を往来する。
無線通信や無人航空機といった技術は双方の活動に干渉しかねない状況もあるのではないか。
2011年を忘れてはいない
2011年、東日本大震災からしばらく後、私は 豊田章夫 社長の記事を経済紙で目にした。当時、それがトヨタ東日本の東北へ移転や、ウーブンシティの建設だとはわからなかったが、私はトヨタ自動車の株式を所有するにいたった。トヨタ自動車への投資は東日本復興への一助となると考えたからだ。
私はウーブンシティについては懸念を抱いているが、富士山特有の障害を克服したとすれば、それは世界に通用する技術が生み出されることになるのかもしれない。
新しい挑戦を続けるトヨタ自動車が、静岡県裾野市に技術実証都市 ウーブンシティ を建設するという。これについては期待もある一方、懸念も多い。
厳しい天候
この地を知る者としてトヨタ自動車に提言したいのは、ウーブンシティ建設地の天候は他の地域と比較し厳しいということだ。裾野市は富士山の南東に位置し、富士山から吹き降ろす風は気象を様々に変化させる。夏季は激しい雷雨、冬季は大雪をもたらす。
この地は積乱雲が急速に発達する。ゲリラ豪雨は一般家屋の雨漏りを引き起こすほどであり、雷はあらゆる電源系統や通信インフラを乱す。対策を講じなければ情報量の多い IT 関連のインフラは毎年水損、焼損することとなろう。
この地は雪も多い。平成26年2月には記録的な降雪があった。この時、東名高速道路、国道246号の交通は完全に麻痺し、多くの人々が車両を路上で放棄するにいたった。先進技術で制御されたインフラが、電力を主としたインフラが積雪に対応できるのか不安がある。
鳥獣被害
ウーブンシティ建設地は富士山の麓であり、動物が多い。私自身、この地では数多くの動植物を観察した。
この地で懸念される鳥獣被害は下記のとおり。
ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、ホンドギツネ、イタチ、ハクビシン、アナグマ
市内の森林、道路に出没する。構造物や植生の破壊、糞による汚損、交通事故などを引き起こす可能性がある。屋外のセキュリティ関係機器の誤作動を引き起こすこともあるだろう。敷地内での捕獲は公的機関や狩猟経験者の介入が必要になるだろう。
ドブネズミ、クマネズミ、ヤマネ
一般的に駆除、防除の対象だが、森林が多いため屋外からの侵入を防ぐのが難しい。衛生面でも駆除が必要だが、最も危惧しなければならないのが光ファイバー系の通信インフラである。齧歯類はなぜか光ファイバーを好んでかじり切断する。私自身、宅内装置の光ファイバーをクマネズミに3度切断された。
カワラバト、ハクセキレイ、イソヒヨドリ、ツバメ、イワツバメ
これらは人工物に好んで巣を作り、糞や巣材により屋内が汚損される。一度巣を作るとなかなかその場を離れようとしないため防除が必要。私見だが、イソヒヨドリは積極的に屋内への侵入を試みる傾向があり、もっとも厄介である。
アブラコウモリ
夜間、虫を求めて飛来する。冬季には暖を求め屋内に入ってくることが多く、天井構造物を汚損したり、電気的短絡を引き起こすことがある。超音波発生器が一時的には有効で防除は鳥類より簡易。何らかのウィルスを媒介する可能性があるため防除すべき。
シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ
人に嫌悪感を与えるだけでなく、電気工作物内に侵入されると短絡を引き起こす可能性がある。
ヤガ、カメムシ
これらは虫は照明に集まり不快なだけでなく、死骸となると処理がさらに不快である。蛾や甲虫は照明を求めて飛来し、屋内に入るとセンサー類の誤作動を引き起こす。冬季、虫は冬眠するものと思われているが、屋内では気温が高い日などにも活動する。
施設をいくらハイテク化しようともこれら動物を完全に防除することは難しい。ハイテク技術の人材だけでなく、動植物の専門家も招致してはいかがだろうか。
周辺環境
この地はやはり特殊である。特に際立つのが陸上自衛隊の東富士演習所だ。特科の演習時には雷鳴とも判別がつかぬ振動と轟音が発生し、航空機が上空を往来する。自衛隊のみでなく、米国海兵隊の C130 や MV22 も上空を往来する。
無線通信や無人航空機といった技術は双方の活動に干渉しかねない状況もあるのではないか。
2011年を忘れてはいない
2011年、東日本大震災からしばらく後、私は 豊田章夫 社長の記事を経済紙で目にした。当時、それがトヨタ東日本の東北へ移転や、ウーブンシティの建設だとはわからなかったが、私はトヨタ自動車の株式を所有するにいたった。トヨタ自動車への投資は東日本復興への一助となると考えたからだ。
私はウーブンシティについては懸念を抱いているが、富士山特有の障害を克服したとすれば、それは世界に通用する技術が生み出されることになるのかもしれない。
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