日本警察は大丈夫か? - パトカーや拳銃を奪われている場合ではない

昨年11月13日のフランスのテロ以降情勢が大きく変わった。日本においても民間レベルでの意識は高くなり、私のような末端の人間ですら業務量の増加を感じる。このような情勢において、報道される警察の失態には失望させられている。もはや制服で相手に威圧感を与えることができる時代ではない。むしろ、現場の連中は標的なのだと自覚する必要がある。


パトカーを奪われる、警視庁

2015年11月30日、東京都稲城市役所で税金滞納中の男が放火した後、パトカーに乗車発進させた事件では警察対応の一部始終が動画で撮影されている。



この動画だけでも、警察官の対応の不味さがいくつも指摘できる。

まず、火と刃物を現認しているのにも関わらず、周辺の人々に避難を強く呼びかけていないこと。「ナイフ待ってます」「下がって下がって」の呼び声だけでは野次馬を遠ざけることができない。人員を割いて制止させ続けなければならなかっただろう。それができていなかったために一部始終を動画で撮影されてしまっている。

第二に、対象者への威嚇が弱い。「武器を捨てろ」「撃つぞ」の警告で従わないような対象は物理的に制止するしかない。銃を見ても脅威を覚えない対象に対しては、警棒や警杖、刺又などに切り替えて打撃を与え、その行動を制止するしかない。

第三に、パトカーのキーを抜いていないこと。時間短縮のためなのか、警察官は現着時にエンジンをかけっ放しでいることがほとんどだが、この行為は極めて危険である。組織的な犯罪であった場合、パトカーは逃走手段として利用されかねないからだ。稲城市役所の件では、単独の対象を制止できないままパトカーに乗車され、発進まで許してしまっている。

私自身は他人をホールドアップさせた経験が二度ある。
一度目は陸上自衛隊での捕縛訓練の経験が非常に役に立った。「動くな!」「膝を着け、臥せれ!」「動くな、臥せれ!」合間入れず怒鳴り散らし、相手が劣勢であることを悟らせた。このときの相手は素直に従い膝を着いたがそれだけでは終わらせなかった。「手に持ったもん捨てろ!」「動くな、臥せれ!」「何人いる?あと何人だ!?」しかるべきところに引き渡すまでは威嚇を続け情報を引き出し、脅威を排除していく。この時の奴は単独犯で、後の検査で刃物を所持していたことがわかった。
二度目は外国人であったが手に凶器となるものを持っていた。私は英語が分かったので「Freeze!Don't move!」と怒鳴り動きを止めた。その後、「Put your ××, please!」と続け相手もそれで状況が分かったらしく、「OK, sorry I'm not robbery」と手に持った凶器を地面に置いた。
いずれも抵抗するようであれば前蹴りをくれて再度警告するつもりで臨んだ。

動画の警官らの対応はどうか?威嚇も散発的で、ゆっくり歩く男の行動を制止できていない。パトカーが別のパトカーに衝突するまで手を打てず、捕縛の時ですら手袋していなかったために手袋を要求する始末。束になって取り押さえたはいいが、役割分担をしっかりしていなかったため最後になってようやく撮影者に注意を促す始末。警視庁は霞が関のデモ対策に力を入れる前に現場の人員の能力底上げに努めるべきだろう。


拳銃を奪われる、神奈川県警

1月14日、神奈川県横須賀市の団地で警官が37歳の男に銃を奪われ負傷した事件が報道された。インターネット上では「撃たれながらも犯人を取り押さえた警察はすごい」という意見もあるようだが、これは大問題である。日本の警察官が携行している拳銃は装弾5発の回転拳銃であることがほとんどだが、安全対策のために初弾を抜いているケースがある。4発発射したということは全弾を発射されたということだ。男が銃を奪い5回は引き金を引いたことになる。つまり、男が全弾撃ち尽くすまで警官は抵抗できなかったということになる。

対象の男は精神疾患があるようで、やや大柄である。このような相手とは取っ組み合いにならないようにするべきであった。団地の廊下のような狭いところでは警棒を抜いて、打突で近づけないようにけん制する必要があっただろう。

最悪、組み合った際にも銃を奪われないようにする配慮が必要だ。組みつかれてしまえば拳銃に装着されたランヤードなど役に立たない。頭突きでも膝蹴りでもなんでも良いので振りほどき、警棒や拳銃を抜き、間合いを取りなおさなくてはならない。型通りの逮捕術など現場では通用しない。

神奈川県警が拳銃を奪われたのはこれが初めてではない。2008年には南足柄市で少年らと格闘した際に拳銃と手錠を奪われている。これについて該当の警察官は処分を受けていないというが、奪われた拳銃が次の犯罪に使われかねない重大な事案であったと考える。反撃を恐れ、警官から拳銃を奪った少年らの行動の方が危機回避という意味では適切であった。現場の警官はもっと泥臭い技術や知識を学んだほうが良いのではないか。


本格的なテロリストは制服を狙う

制服を着た現場隊員はもはや標的だ。警官が襲撃され、拳銃を強奪された事案は少なくない。本格的なテロリストや他国のゲリラコマンド、知能が高い犯罪者は、警察官や自衛隊員の制服や銃を奪い、重要拠点に潜入することを画策している可能性がある。その脅威度は応用が利き、拳銃を携行している警察の方が高い。テロへの警戒が求められている現在、制服を着た人員は注意が必要だ。平時から単独犯にパトカーや拳銃を奪われているようでは、計画されたテロは防げないと肝に銘じてほしい。

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No title

こんにちは
日本ってテロ事件 あまり起きないのが奇跡なように感じています
制服強奪などドラマではよくあるパターンですが
・・・・・十分有り得る話だと

戦後は多くありましたが、価値観が多様化した現在では
組織だったテロは起こりにくくなっているようです。
報道されていない事例もあるでしょう。
現場人員の能力不足は私自身が体験しています。

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