シリアの邦人拘束について - 軍事経験を持つ者ではない

シリアで ユカワ ハルナ を名乗る日本人男性が武装組織 イスラーム国(ISIS) に拘束されたとの報道があったが、この人物について私見を綴る。

民間軍事会社の概念を間違っている

この人物はピーエムシー株式会社(PMC Co.,Ltd.)という会社の経営者ということだが、民間軍事会社というのはこのような生半可な組織ではない。欧米の民間軍事会社は正規軍と密接な関係を持っており、人員も特殊部隊経験者など兵役経験者がヘッドハンティングされている。国防関係者や財界の人間が出資し、兵站も豊富で正規軍を補助する役割を持っている。ピーエムシー㈱にはそのようなバックボーンが認められず、資本金が300万円程度とお話にならない。事務所の位置や所属団体から輸入代理業を営んでいた者が私的に設立したかのような印象だ。そもそも民間軍事会社は PMC などというあからさまな名を語らない。


射撃が未熟である

本人はカラシニコフ小銃の射撃を動画でインターネット上に掲載しているが、射撃には慣れていないようだ。中東で活動している民間軍事会社の任務はコンボイの護衛や施設の警備であり、事前にトレーニングを受ける。その内容は凄まじく、車輌を放棄しての離脱、アンブッシュに対するカウンターなど非常に高度なものである。小銃の射撃はできて当たり前で、半自動から全自動への切り替えに手間取るようでは警備など任せられたものではない。なんらかのコネを掴み現地入りしたことが考えられるが、軍事経験を持つ人物のようには見えない。銃とカメラを持ち、このような姿を公にし戦地に入れば、たちまち存在をリークされ襲撃の対象となってしまうだろう。


傭兵をやるということ

国同士の戦争では一定のルールが適用されるが、正規軍ではない傭兵や義勇兵には条約は適応されないうえ、紛争においては法規など存在しない。現地の者からすれば、外国からわざわざやってきて敵対行動を起こす者など憎悪の対象だ。敵方に拘束されれば待っているのは拷問や公開処刑だ。戦地へ赴く者は自分で始末をつける覚悟を持つことだ。

世に言う民間軍事会社とは、兵役経験者が政府の支援を受けて設けた巨大な多国籍企業だ。軍事経験のない者がブラックウォーター(現アカデミ)やエクゼクティヴアウトカムズのようなイメージに憧れて戦地に赴いてはならない。「カメラマン」「ジャーナリスト」「日本人」という肩書は戦地では免罪符とならないことを、同じような考えを持っている人には覚えておいてもらいたいものだ。


19日追記

月刊アームズ2001年10月
月刊アームズ・マガジン2001年10月号222項より
どうやら見覚えのある輸入販売店の経営者であった可能性があるようだ。
米軍や露軍の放出品、光学照準メーカーの Aimpoint や LEUPOLD、軍装メーカーの BLACK HAWK! や EAGLE などの輸入商品の他、エアソフトガン用の金属部品を扱っていた。航空自衛隊のPX向け商品を納品していたのかもしれないが……、民間軍事会社を経営できるような人材ではない。

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