No Sea Shepherd - シーシェパードの急成長

9日、水産学者の勝川先生がシーシェパードの急成長について論じられていた。シーシェパードの急成長は2007年に日本がザトウクジラの捕獲を宣言したからだとされている。

勝川俊雄 公式サイト‎
シーシェパードが急成長した原因は、日本の失策

http://katukawa.com/

産経新聞の佐々木記者はジャパンバッシングで急成長を遂げたとしている。

MSN産経ニュース
日本標的で急成長したシー・シェパード 7・8億円の寄付金で攻撃装備を購入

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110218/biz11021812590015-n2.htm

私はどちらの考えにも賛同できない。シーシェパードには2005年~2007年にかけて大きな動きがあったからだ。

シーシェパードが南極海の調査捕鯨妨害に乗り出したのは2005年、Farley Mowatt(シーシェパードⅢ→オーシャン・ウォリアー→ファーレイ・モウワットと船名を変えている。2008年にカナダで拿捕、没収され5000ドルで他機関に売却されたらしい)での妨害が初だろう。それ以前はグリーンピースによるものだった。

転機が訪れるのはこの年のこと、グリーンピースの設立者の一人であったロバート・ハンター(ボブ・ハンター)がガンで死去する。

グリーンピース・ジャパン
ボブ・ハンター グリーンピースの設立メンバー死去

http://www.greenpeace.or.jp/info/memorial/bh_html

シーシェパードは2003年までスコットランド漁業監視船だったウェステラを購入し、ロバート・ハンターと命名した。これによりカリスマ的存在であったカナダ人の活動家の支持者を取り込むことに成功したのだろう。

(財)日本鯨類研究所 提供
2007年2月12日の写真 (財)日本鯨類研究所 提供
船体はライトブルーだが、ROBERT HUNTER と表記されている。

さらにシーシェパードにとって追い風となったのが2006年に公開された SHARK WATER という映画だ。この映画はロブ・スチュワートがコスタリカやガラパゴスのサメを保護するためにシーシェパードの活動に同行するという内容である。フランスのメタルバンドの Gojira がシーシェパードを支援するようになったのはこの映画を観たからだとしている。

SHARK WATER
映像は2002年のもので、「コスタリカ大統領の依頼で密漁船を取り締まった」としているが、殺人未遂容疑で起訴される。スチュワートとシーシェパード一行はノリノリのBGMをバックに逃亡する。

この時点でシーシェパードの現在の体系を整えていたが、2006年に決定的な事件が起こる。「世界で最も有名なオーストラリア人」のスティーヴ・アーウィン(Steve Irwin、Stephen Robert Irwin)が番組の収録中にアカエイに胸部を刺されて死亡した。ポール・ワトソンはアーウィン夫人の了承を得て2007年12月5日にロバート・ハンターをスティーヴ・アーウィンに改名する。こうしてシーシェパードはアーウィンの幅広い人脈を得た。

(財)日本鯨類研究所 提供
2008年3月3日 (財)日本鯨類研究所 提供

ロバート・ハンターの船体は黒色に塗装され、スティーヴ・アーウィンとして妨害を行った。このときすでに Whale Wars の収録が始まっている。海上保安官が警告弾を投げつけ、ワトソンが銃撃を偽装したのもこの年だ。

paulwatsonfakeshot
ワトソンが公開した物体は、物理的にありえない変形をしていた。このとき実弾を使って検証実験をして反論してやれば良かったものを。

シーシェパードは2008年までにロバート・ハンターとスティーヴ・アーウィン両名の支持者を取り込んで急成長した。これらの要因に比べれば、ザトウクジラの捕獲への反発やジャパンバッシングがシーシェパードの急成長の要因だとは言いがたい。

シーシェパードの急成長は水産庁だけの責任ではない。この問題は外交にも関わる。海上保安庁、農林水産省、外務省、様々な機関との調整が必要になる。外交は誠実な対応をすればいいというものではない。国益と国益を賭けた駆け引き。一度失ったものは戻ってこない。これが問題を長期化させ、シーシェパードを活動させてしまっている。識者の方にはそのことを考慮のうえ発言していただきたい。

noseaevil
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シーシェパードに関わる2005年のカナダ人記者の調査報道に、エコテロ団体仲間の親族が経営するデベロッパーの土地転がしに免税団体の名義貸しをしたとか、不透明な土地取引への関係が指摘されています。寄付金は大口の一回切り、しかも株券で行なわれるのが特徴だそうです。
寄付金が多くなったのは「Whale Wars」のおかげでしょうが、マネーロンダリングまがいのグリーン・ウォッシングのための機関として使われていることは想定すべきです。勝川先生はそういう悪い人たちのことはご存じないのかもしれませんね。

それは非常に興味深い内容です。ボブ・ハンターを崇高するグリーンピースの分派との関連があるかもしれません。
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危険なこと、汚れることが大好き
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