第2昭南丸とAdy Gil の衝突の背景

産経新聞の佐々木記者が第2昭南丸とAdy Gil の衝突について考察をされています。この衝突は事故であるという見解については同意です。しかし、ニュージーランドの調査に欠陥があったとは思えません。私はイザのアカウントを持っていないので、この記事をトラックバックすることでコメントとさせていただきます。


第2昭南丸とAdy Gil の衝突
各船舶の位置は以下のファイルの第52項の図をトレースした
http://www.maritimenz.govt.nz/AdyGil/Investigation-report-Ady-Gil-Shonan-Maru-Lo-rez.pdf

事故当日の背景は以下のとおり。
反捕鯨団体シーシェパードによる妨害活動 (第4報)
http://www.icrwhale.org/100106ReleaseJp.htm
反捕鯨団体シーシェパードによる妨害活動 (第5報)
http://www.icrwhale.org/100106ReleaseJp2.htm

注目すべき点はBob Barker という第三の船舶である。
この日、日本側は初めてBob Barker に遭遇した。第2昭南丸は船団から離れたこの新たな船舶に対する調査と牽制をする必要があったのではないだろうか。

1.衝突直前の日本側の映像。Bob Barker は第2昭南丸の右手、風上に位置している。

2.一方、Ady Gil 側では船長ら5人が第2昭南丸の接近を確知するが、ふざけたり撮影をしたりしていて操縦手に第2昭南丸の接近を知らせていなかった。

3.Bob Barker 側からの映像では第2昭南丸の正面が常に捉えられており、第2昭南丸がBob Barker に向け針路をとっていることがわかる。

4.衝突直後。Ady Gil の船首が左に振られている。これは風の影響である。Ady Gil の旗や放水の流れで風向きがわかる。通常、衝突後は互いに反発して船首は右に振られるはずだが、軽量なこの船舶の場合、風の影響が衝突時のモーメントを上回っていたものと考えられる。意図的に第2昭南丸側へ舵をきっていたとは考えにくい。

風の影響は第2昭南丸にも現れている。衝突直前、第2昭南丸は針路を修正するため右に、Ady Gil 側に舵をきる必要があった。第2昭南丸が放水銃の射程にAdy Gil を捉えるというよりは、見落としていた可能性がある。過去の映像を見ると、放水はシーシェパードの船舶が視認できた時点で開始されているようである。

第2昭南丸はLRAD を Ady Gil に照射しているが、甲板上の人員は Ady Gil の存在に気づいていたとしても、艦橋側の人員が気づいていない、その知らせを受けていないことも考えられる。

Ady Gil が衝突直前に加速したのは回避を試みたからだろう。舵をきっただけでは船は旋回せず、スロットルを開く必要がある。また、逆進できたはずだという指摘もあるが、操縦手の後方から悲鳴が聞こえるような危機が迫っている状況で逆進するという考えは絶対に出ない。視界が開けている前方へ回避しようとするだろう。

日本側の聴取は不要だ。言語が違うので証言が正確に伝わる保障もなく、食い違いが生じればさらに悪印象を与えていただろう。日本側が黙っていたのは懸命だったと言える。

このような要因が重なり合って衝突は引き起こされたと私は判断する。この事故だけに関して言えば、どちらかに非があるとは断定できず、今回のニュージーランドの判定は適正であったと考える。
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そもそも論で言えば、速度優先で安全性を無視した欠陥船舶のAG号が、悪ふざけを試みたことが事故の原因であり、MNZが示唆した危険性を無視したことが問題ではないかと思っています。
シーマンシップ的に言えば、他の船舶に嫌がらせ使用という行為自体が外れていますけどね。

そもそも論で言わせてもらうと、ボブバーカーの延長線上におふざけ船長が乗ったアディギルがいたことが原因であり、連中の無能ぶりが事故を引き起こしたものと断定します。
今期同様の事故が起これば救助の名目で海上保安官が連中の身柄を拘束できます。

>今期同様の事故が起これば救助の名目で海上保安官が連中の身柄を拘束できます。

それは無理でしょうな。

いらっしゃいませ、赤いハンカチさん。
「蒼き清浄なる海のために」さんのところでの一件であなた様がこちらに来るであろうことを予期しておりましたので、アクセス解析ツールを設置させていただきました。また、いつでもお越しくださいませ。

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