小型飛行機の墜落事故について
26日、東京都調布市の民家にPA-46 軽飛行機が墜落した事故について、過去に空を目指した者として思い当たる節があるので記しておく。
異常な機速
マスメディアの事故機の離陸直後の映像を見ると、低速度で高度を得られていない。滑走中の映像も公表されていたが、滑走距離もかなり長い。このことから考えられるのは、離陸前にエンジンがオーバーヒート気味であったことだ。報道からもオーバーヒートに至る要因がいくつも重なっていたことが分かる。
・事故機の離陸は予定時間を過ぎていた
・26日は猛暑を記録していた
・事故機には5人搭乗していた
PA-46-350P に限らず、軽飛行機は通常空冷のエンジンであり、地上でのアイドリング、タキシング時間が長くなるほどオーバーヒートを起こすリスクが高くなる。気温が高くなれば滑走路の熱でエンジンも温まり、ゲストを載せていればエアコンも使用したいだろう。搭乗者の目的は分かっていないが、積載物があった場合、パイロットはエンジンへの負荷も考慮しなければならない。前日のテストフライトとは状況がまったく違う。パイロットとしては一刻も早く離陸して上空でエンジンを冷却したくなる状況だったのではないか。エンジンがオーバーヒートを起こした場合、オイルは粘度を失い出力は著しく低下する。滑走の段階からそのような兆候があったように思う。
左旋回するのは普通
事故機がなぜ住宅地のある方向へ向かったのかを疑問とするコメンテーターがいたが、航空機が左旋回する理由はいくつかある。
・プロペラ機はプロペラの回転へのカウンタートルクで機体は傾く
(PA-46 の場合、右回転のプロペラに対し機体は左へバンクする傾向がある)
・パイロットの利き手が右手の場合、左旋回を多用する
・機長席は左にあり、機長は視界の良い左旋回を多用する
ビデオゲームや軍事関係の知識を持つ人であれば分かるだろう。事故機のパイロットが自機の異常に気付き、飛行場へ戻ろうと考えたのであれば左旋回をしたことは不思議ではない。結果、不幸な重大事故となってしまったが、狂信的なテロリストや精神疾患者を除き、パイロットの誰もが好き好んで自分の機を住宅地に墜とそうなどとは思ってはいない。事故機のパイロットらの人となりを侮辱するようなことはしないでいただきたいものだ。
異常な機速
マスメディアの事故機の離陸直後の映像を見ると、低速度で高度を得られていない。滑走中の映像も公表されていたが、滑走距離もかなり長い。このことから考えられるのは、離陸前にエンジンがオーバーヒート気味であったことだ。報道からもオーバーヒートに至る要因がいくつも重なっていたことが分かる。
・事故機の離陸は予定時間を過ぎていた
・26日は猛暑を記録していた
・事故機には5人搭乗していた
PA-46-350P に限らず、軽飛行機は通常空冷のエンジンであり、地上でのアイドリング、タキシング時間が長くなるほどオーバーヒートを起こすリスクが高くなる。気温が高くなれば滑走路の熱でエンジンも温まり、ゲストを載せていればエアコンも使用したいだろう。搭乗者の目的は分かっていないが、積載物があった場合、パイロットはエンジンへの負荷も考慮しなければならない。前日のテストフライトとは状況がまったく違う。パイロットとしては一刻も早く離陸して上空でエンジンを冷却したくなる状況だったのではないか。エンジンがオーバーヒートを起こした場合、オイルは粘度を失い出力は著しく低下する。滑走の段階からそのような兆候があったように思う。
左旋回するのは普通
事故機がなぜ住宅地のある方向へ向かったのかを疑問とするコメンテーターがいたが、航空機が左旋回する理由はいくつかある。
・プロペラ機はプロペラの回転へのカウンタートルクで機体は傾く
(PA-46 の場合、右回転のプロペラに対し機体は左へバンクする傾向がある)
・パイロットの利き手が右手の場合、左旋回を多用する
・機長席は左にあり、機長は視界の良い左旋回を多用する
ビデオゲームや軍事関係の知識を持つ人であれば分かるだろう。事故機のパイロットが自機の異常に気付き、飛行場へ戻ろうと考えたのであれば左旋回をしたことは不思議ではない。結果、不幸な重大事故となってしまったが、狂信的なテロリストや精神疾患者を除き、パイロットの誰もが好き好んで自分の機を住宅地に墜とそうなどとは思ってはいない。事故機のパイロットらの人となりを侮辱するようなことはしないでいただきたいものだ。
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No Sea Shepherd - アディダス、シーシェパード関連団体と最悪のコラボ
すでにメディアで発表、報道されているが、ドイツのスポーツ用品メーカーの アディダス(adidas) がシーシェパード関連団体とコラボレーション商品を発売することを明らかにした。
6月29日に国連本部で行われたNGOの会合「海洋・気候・生命」においてアディダスは パーリーフォージオーシャンズ(Parley for the oceans、パーレイフォージオーシャンズとも) と提携し、漁網を用いたスニーカーを発表した。パーリーフォージオーシャンズ とは、シリル・ガッシュ(Cyrull Gutsh、シリル・グッチとも) が2012年6月にポール・ワトソン(Paul F Watson)被告に会ったことを機に設立した自称クリエイター集団である。以前にはオランダのデニムメーカーの G-star RAW とコラボレーション商品を制作しており、アディダスの次には米国のサーフィン・スノーウェアメーカー、オニール(O'NEILL)との企画が決定している。
今回の企画は「海洋保護のため人々に啓発」するためのものと発表されているようだが、この商品には問題が多いことを指摘させてもらう。

アディダス、PARLEY FOR THE OCEANS とともに国連の気候変動イベントにてサステナビリティ・イノベーションを発表
http://preview.thenewsmarket.com/Previews/ADID/DocumentAssets/389985.pdf より
シーシェパードが回収した漁網を利用している
このスニーカーは「海に投棄された漁網を回収してリサイクルした」としているが、この漁網は投棄されたものか否かはっきりとしていない。シーシェパードは昨年からアイスフィッシュ作戦と称して、密漁船を追跡したというのだが公的機関による事実確認がなされていない。漁船が漁獲を行うために投網したものをシーシェパードが回収したのであれば、これは漁具と漁獲物の窃盗である。

Seashepherd Global が公開しているアイスフィッシュ作戦の写真。
巻き上げ装置を使った網の回収は密漁行為となんら変わりがない。
違法行為を立証するために回収したとしても、しかるべき機関に提出せず、商品に仕立てるのは倫理的に問題があるのではないか。仮に、追跡した漁船のものではないとしてもシーシェパードが事前に用意した物ではないかという疑いを払拭できない。なぜならシーシェパードは過去に南極海において調査捕鯨を妨害するために海洋投棄を行ってきたからだ。

(一財)日本鯨類研究所 提供画像を再構成
2009年2月5日、シーシェパードの構成員ピーター・ハマーステッドらが海洋に発射投棄したラインスロワー。

(一財)日本鯨類研究所 提供
2009年2月2日、シーシェパードの人員らが第3勇新丸の航行を妨げるため海洋に投棄したフロート付ロープ。
漁網ではないが、このように環を作ったロープは大型の魚類や海洋哺乳類を絡め死に至らしめる可能性が高い。

(一財)日本鯨類研究所提供 動画を再構成
2011年、シーシェパードの人員らがロープを航行中の船舶船首付近でロープを投棄する様を捉えた動画。


(一財)日本鯨類研究所 提供
2011年2月4日、航行困難となった第三勇新丸に対してペイントボールガンを乱射し汚損したシーシェパードの人員ら。人としての倫理道徳、シーマンシップのかけらもない。このようなクソどもの集まりを支持する団体と提携し、利を供しようというスポーツウェアメーカーの商品は一切お断りだ。
アディダスはCSR(企業の社会的責任)の観点からこの点をはっきりさせる必要がある。まず、今回のスニーカーに用いる漁網が盗品や犯罪行為で使われた証拠品でないこと、シーシェパードが事前に用意した漁網でないことを証明せよ。
多くの魚類を殺した素材の靴を履けというのか
シーシェパードが回収した網というのが、実際どんなものなのか見ていただきたい。

ALF(Animal Liberation Front、動物解放戦線)イスラエルを名乗る者が作成した画像。Seashepherd Global の写真を利用している。
ALF は目的のために殺人や破壊行為をいとわないテロリスト集団であり、シーシェパードとも関連が依然強いと疑うべきだ。
漁網は海洋生物を捕らえ殺してしまう。時間がたつとそれらは腐敗しおぞましい姿となってしまう。それ以外にも海洋の漂流物には様々な生物が付着する。写真の漁網はまだ新しくそれらが付着していないが(ゆえに投棄された漁網なのか怪しいわけだが)、これをそのまま商品として利用するのは実に不潔だ。洗浄するにしても、洗浄を要する素材はサスティナブルなものではない。このようなものを商品として販売しようとする姿勢は、アディダスの企業体質を疑わざるをえない。スポーツ関連の商品を販売するのであれば、購買者が最高のパフォーマンスを得られるように最高の品質の物を提供するのが使命であるとは思わないのか。パーリーフォージオーシャンズとのコラボは旧来のアディダスファンへの裏切りである。

(一財)日本鯨類研究所 提供
2012年1月6日、シーシェパードの人員らが南極海に投棄した鉄管と鋼線を絡めたロープ。
大型の鯨類がこれに絡まれば、皮膚に食い込み深刻な被害をもたらしたであろう。
これが漂流すれば海洋生物どころか、人命をも危険にさらしかねない。
シーシェパードはこれをプロップファウラー(Prop fouler、推進器破壊装置)と称し、調査捕鯨の船舶の進路上へ投棄し続けた。
疑わしくなったアディダスのCSR
アディダスは過去にグリーンピースから中国の委託先が水質汚染をしていることを指摘されているが、改善をしているのだろうか。繊維産業は環境汚染と労働者の搾取が問題として残り続けている。「海洋保護」のためアディダスが行うべきことは盗品の可能性がある漁網を使ったスニーカーを販売し人々を啓発することではなく、自らの企業体制を見直し、環境や労働者に負荷の少ない企業へと変化していく事だ。
この一件は非常に気分が悪い。私は趣味でランニングもするし、サーフィンもする。スニーカーの新調も考えていた矢先にこの発表があり、もはやアディダスは選択肢にない。アディダスジャパンがこれに関連する商品を取り扱わないことを願う次第である。

申し訳ないが、アディダスの製品には愛着がなくなったので所有の製品はすべて処分させていただく。
他の企業にも、海や生命を軽んじた集団との提携をしないよう強く望む。
6月29日に国連本部で行われたNGOの会合「海洋・気候・生命」においてアディダスは パーリーフォージオーシャンズ(Parley for the oceans、パーレイフォージオーシャンズとも) と提携し、漁網を用いたスニーカーを発表した。パーリーフォージオーシャンズ とは、シリル・ガッシュ(Cyrull Gutsh、シリル・グッチとも) が2012年6月にポール・ワトソン(Paul F Watson)被告に会ったことを機に設立した自称クリエイター集団である。以前にはオランダのデニムメーカーの G-star RAW とコラボレーション商品を制作しており、アディダスの次には米国のサーフィン・スノーウェアメーカー、オニール(O'NEILL)との企画が決定している。
今回の企画は「海洋保護のため人々に啓発」するためのものと発表されているようだが、この商品には問題が多いことを指摘させてもらう。

アディダス、PARLEY FOR THE OCEANS とともに国連の気候変動イベントにてサステナビリティ・イノベーションを発表
http://preview.thenewsmarket.com/Previews/ADID/DocumentAssets/389985.pdf より
シーシェパードが回収した漁網を利用している
このスニーカーは「海に投棄された漁網を回収してリサイクルした」としているが、この漁網は投棄されたものか否かはっきりとしていない。シーシェパードは昨年からアイスフィッシュ作戦と称して、密漁船を追跡したというのだが公的機関による事実確認がなされていない。漁船が漁獲を行うために投網したものをシーシェパードが回収したのであれば、これは漁具と漁獲物の窃盗である。

Seashepherd Global が公開しているアイスフィッシュ作戦の写真。
巻き上げ装置を使った網の回収は密漁行為となんら変わりがない。
違法行為を立証するために回収したとしても、しかるべき機関に提出せず、商品に仕立てるのは倫理的に問題があるのではないか。仮に、追跡した漁船のものではないとしてもシーシェパードが事前に用意した物ではないかという疑いを払拭できない。なぜならシーシェパードは過去に南極海において調査捕鯨を妨害するために海洋投棄を行ってきたからだ。

(一財)日本鯨類研究所 提供画像を再構成
2009年2月5日、シーシェパードの構成員ピーター・ハマーステッドらが海洋に発射投棄したラインスロワー。

(一財)日本鯨類研究所 提供
2009年2月2日、シーシェパードの人員らが第3勇新丸の航行を妨げるため海洋に投棄したフロート付ロープ。
漁網ではないが、このように環を作ったロープは大型の魚類や海洋哺乳類を絡め死に至らしめる可能性が高い。

(一財)日本鯨類研究所提供 動画を再構成
2011年、シーシェパードの人員らがロープを航行中の船舶船首付近でロープを投棄する様を捉えた動画。


(一財)日本鯨類研究所 提供
2011年2月4日、航行困難となった第三勇新丸に対してペイントボールガンを乱射し汚損したシーシェパードの人員ら。人としての倫理道徳、シーマンシップのかけらもない。このようなクソどもの集まりを支持する団体と提携し、利を供しようというスポーツウェアメーカーの商品は一切お断りだ。
アディダスはCSR(企業の社会的責任)の観点からこの点をはっきりさせる必要がある。まず、今回のスニーカーに用いる漁網が盗品や犯罪行為で使われた証拠品でないこと、シーシェパードが事前に用意した漁網でないことを証明せよ。
多くの魚類を殺した素材の靴を履けというのか
シーシェパードが回収した網というのが、実際どんなものなのか見ていただきたい。

ALF(Animal Liberation Front、動物解放戦線)イスラエルを名乗る者が作成した画像。Seashepherd Global の写真を利用している。
ALF は目的のために殺人や破壊行為をいとわないテロリスト集団であり、シーシェパードとも関連が依然強いと疑うべきだ。
漁網は海洋生物を捕らえ殺してしまう。時間がたつとそれらは腐敗しおぞましい姿となってしまう。それ以外にも海洋の漂流物には様々な生物が付着する。写真の漁網はまだ新しくそれらが付着していないが(ゆえに投棄された漁網なのか怪しいわけだが)、これをそのまま商品として利用するのは実に不潔だ。洗浄するにしても、洗浄を要する素材はサスティナブルなものではない。このようなものを商品として販売しようとする姿勢は、アディダスの企業体質を疑わざるをえない。スポーツ関連の商品を販売するのであれば、購買者が最高のパフォーマンスを得られるように最高の品質の物を提供するのが使命であるとは思わないのか。パーリーフォージオーシャンズとのコラボは旧来のアディダスファンへの裏切りである。

(一財)日本鯨類研究所 提供
2012年1月6日、シーシェパードの人員らが南極海に投棄した鉄管と鋼線を絡めたロープ。
大型の鯨類がこれに絡まれば、皮膚に食い込み深刻な被害をもたらしたであろう。
これが漂流すれば海洋生物どころか、人命をも危険にさらしかねない。
シーシェパードはこれをプロップファウラー(Prop fouler、推進器破壊装置)と称し、調査捕鯨の船舶の進路上へ投棄し続けた。
疑わしくなったアディダスのCSR
アディダスは過去にグリーンピースから中国の委託先が水質汚染をしていることを指摘されているが、改善をしているのだろうか。繊維産業は環境汚染と労働者の搾取が問題として残り続けている。「海洋保護」のためアディダスが行うべきことは盗品の可能性がある漁網を使ったスニーカーを販売し人々を啓発することではなく、自らの企業体制を見直し、環境や労働者に負荷の少ない企業へと変化していく事だ。
この一件は非常に気分が悪い。私は趣味でランニングもするし、サーフィンもする。スニーカーの新調も考えていた矢先にこの発表があり、もはやアディダスは選択肢にない。アディダスジャパンがこれに関連する商品を取り扱わないことを願う次第である。

申し訳ないが、アディダスの製品には愛着がなくなったので所有の製品はすべて処分させていただく。
他の企業にも、海や生命を軽んじた集団との提携をしないよう強く望む。