No Sea Shepherd - シーシェパードとメキシコ国家自然保護地区委員会(CONANP)

シーシェパードはメキシコの国家自然保護地区委員会(CONANP, Comisión Nacional de Áreas Naturales Protegidas)に協力し、コガシラネズミイルカ (vaquita, Phocoena sinus)の保護活動を始めようとしているようだ。帆船である Martin Sheen をコスタリカに向け先行させている。

CONANP のロレンソ・ロハス・ブラチョ(Lorenzo Rojas-Bracho )、米国海洋大気庁(NOAA)のバーバラ・テイラー(Barbara Taylor)らは漁師への補償を提言していたが、2014年にコガシラネズミイルカの個体数が97頭と判明し、CONANP も焦燥に駆られたようだ。

ナショナルジオグラフィックの日本版でもブラチョ、テイラーらは「まだ望みはある」としているが、商業捕鯨の時代から個体数を回復させた大型鯨類と、閉鎖海域で視認すらままならないコガシラネズミイルカでは条件がまったく違う。テイラーらは保護政策で他の鯨類と同じように年間4%程度の個体数増加を見込んでいたようだが、実際は18%以上の減少であった。漁業以外にも餌生物の減少や汚染による繁殖力の低下、海洋環境の変化による死亡なども考慮すべきであり、超法規的に捕獲調査も行い、人工的な環境での飼育が可能か否かも模索すべきだっただろう。

シーシェパードやグリーンピースは、メキシコ政府を動かしたとして無責任な宣伝を行っているが(特にグリーンピースのCGを使った祝いの画像)、コガシラネズミイルカ97頭は最小存続可能個体数を割っている可能性もある。いくらシーシェパードに寄付しようが、グリーンピースの署名に応じようが無駄である。
アメリカ、カナダ、メキシコ政府には、これらを排除してより実効的な保護活動を行うことを期待したい。400年以上メキシコと交流を続けている日本が、この件に助力できないでいたことは残念なことである。

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Seashepherd ignored the endangered vaquita - コガシラネズミイルカを無視したシーシェパードが新たに2隻の船

シーシェパードが新たに2隻の船を調達し、ポール・ワトソン被告がコガシラネズミイルカの保護を標榜しはじめたため、先手を打っておく。

シーシェパードは現在米国フロリダ州キーウェストに2隻の船舶を係留中で、該船は米国沿岸警備隊が運用していた110フィート級アイランド型カッターの旧 Block Island と 旧 Pea Island であり、それぞれを Farley Mowat と Jules Verne と改称している。ディーゼル機関2基で速力は30ノット(時速約56km)前後、航続距離は3000海里(5600 km)前後である。退役した2隻をシーシェパードが購入し、改修を進めているようである。

FarleyMowat&JulesVerne
SheShepherdGlobal が公開している2隻の船舶。

USCG110フィート級
アメリカ合衆国連邦政府のパブリックドメイン画像
シーシェパードが入手した船舶と同クラスの110フィート級 MUSTANG
25mm機関砲を装備するが、命中精度や船体強度に問題があったようだ

ポール・ワトソン被告はJules Verne をコスタリカのココ島の漁業取締に、Farley Mowat をメキシコのコガシラネズミイルカの保護に運用すると発表している。

いずれも問題があり、シーシェパードはコスタリカでは漁業船に破壊行為を行った過去があり、そのような集団が取締を行うというのはいかがなものか。

revberwatson.jpg
映画 SHARK WATER より
2002年、ポール・ワトソン被告はコスタリカで漁業船に放水や体当たりなどの破壊行為を指示し、コスタリカからの殺人未遂容疑で2012年にドイツで逮捕された
この時使用した船は旧 Farley Mowat(当時 Ocean Warrior)であり、該船は2008年にカナダ政府に没収され競売にかけられた

コガシラネズミイルカは米国、メキシコ、カナダ各国政府の北米保護活動計画(NACAP)で保護を推進してきたが成功せず、国際自然保護連合(IUCN)も国際捕鯨委員会(IWC)も危惧する危急な問題である。個体数100頭前後、水深30m以浅の沿岸に生息するコガシラネズミイルカの保護に110フィート級は役に立たないどころか、その廃油と推進音が生息域を脅かす可能性がある。必要なのは漁業者への補償を徹底し、エビやトトアバなどの市場を管理し、コロラド川の水質を改善することだ。これまでコガシラネズミイルカを無視し、調査捕鯨の妨害や水族館へのヘイトスピーチを行ってきたシーシェパードどもが出る幕ではない。

noseaevil

No Sea Shepherd - シーシェパードが賠償金を支払いへ

6月9日、シーシェパードが2012年に発された米国連邦法に基づく仮処分に違反したことで、一般財団法人日本鯨類研究所と共同船舶株式会社らに255万米ドルの賠償を支払うことに合意したと報道された。

これは接近禁止の仮処分に対する違反で、法廷侮辱罪による制裁である。調査捕鯨妨害の永久差し止めの訴えは係争中であり、シーシェパードの賠償額は増額される可能性がある。米国は司法権限を保つため、法廷侮辱に関しては懲罰的に賠償を加算する傾向にある。以後、同様の妨害行為を繰り返せばその額はさらに膨れ上がるだろう。

gpandsea-img415.jpg
(一財)日本鯨類研究所 提供
明確に500ヤードの接近禁止距離を無視し、調査捕鯨母船と補給船に接近したシーシェパードの船舶。

2014~2015年にかけ、シーシェパードは密漁船の監視と銘打って活動をしていたが、その行為には漁具の盗難、密漁、密漁幇助の疑いがある。国際海事機関(IMO) をはじめ、各国の法執行機関には調査を進めていただきたいものだ。


マゼランアイナメのかかった網を回収するシーシェパード
SeaShepherdGlobal が公開している、漁具を回収するシーシェパード構成員らの画像。
他船の刺網を回収しているのであれば漁具の盗難であり、自作自演のため投網したのであれば密漁である。
尚、漁船の沈没を事前に確知していたのであれば、証拠の隠滅を幇助したともいえよう。

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