シーシェパード対策は成功していない

読売新聞が農林水産大臣の言葉を受け、「シーシェパード対策の成功」を報じた。記事では第2昭南丸が囮、デコイであるとしている。また、「SI号が300mまで近づいてきたので放水した」とも報じている。作戦内容を公にして、しかも先制攻撃をしたとも受け取られかねない発表をして何が「シーシェパード対策は成功」か。関係諸国の印象を一層悪くし、シーシェパードに支援を与えるだけだ。トップが「敵を欺くには味方から」すらできないようでは困る。

シーシェパードは第2昭南丸との接触の絵が撮れればよいのだ。「背後に巨大な陰謀がある」とするのが連中の十八番である。シーシェパードは「日本はデコイまで使って我々をかく乱してきた。この間に捕鯨団が虐殺を行った」と主張し、ますます勢いづくだろう。

総理大臣と外務大臣が捕鯨を「食文化の違い」ととらえているのもまずい。調査捕鯨を商業捕鯨と認めてしまったようなものだ。諸外国が反発するのも当然だろう。豪州の捕鯨批判は食文化によるものではなく、豪州が主張する海域を日本が脅かしかねないからではないのか。豪州が慎重になっているのは、国際水路機関が認定した南極海の範囲と、豪州の主張する南極海の範囲に相違があるからだ。日本の調査捕鯨に対して批判はするも、実力行使ができないのだろう。だからシーシェパードを排除しないのだ。ボランティアで日本をけん制してくれるからだ。

交渉では互いに譲歩が必要である。しかし、両国が交渉するにはシーシェパードは邪魔なのである。連中が船を出せなくなるまでシーシェパード対策が成功したとは言えない。
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シーシェパードへ助言

シーシェパードには元軍人や元警察官、現役消防士などが参加しているらしい。ならばボクは元軍人、現役セキュリティフォース、生物学者でもあり、カメラマンでもあるとの肩書きをもってもいいのかな?

シーシェパードが気に入らない理由のひとつが戦術のなさだ。それで活動を継続できてしまっていることが恐ろしい。ボクがシーシェパードに参加するとしたら、次のような手段をとる。

SI号に光線照射手を二名以上配置する
 これはLRADをかく乱するためだ。LRADは2基確認できるが、側面からならば1基しか機能しない。レーザーよりはストロボ機能(点滅)のある高出力のライトを使用する。これは本当に人を不快にする。夜間であればさらに効果を増す。
ペイントボールガンはSI号に搭載する
 AG号にペイントボールガンを載せたのはシーシェパードの大きなミスだ。SI号の高さならば艦橋を狙える。特殊塗料のボールで艦橋やLRADを狙撃すれば日本側は洗浄作業に時間を割かれ、活動を長期にわたり妨害できる。
AG号を船首に食いつかせる
 シーシェパード側の被害は国際社会に日本の非を訴えることができる。低いAG号が船首にいるというだけでそれは操舵手には大きなプレッシャーとなる。
GPSで航路を逐一アップロードする
 自分たちより強大な敵に立ち向かう場合、自分たちがどこにいて敵がどこにいるかを知らせることで支援を得るのが良い。位置を秘匿したい日本に対し、GPSユニットを装着したカメラの写真は効果的だろう。ところが、現在のシーシェパードはWhale wars の編集の都合上、証拠能力のある画像や映像を公開できない。
ポール・ワトソンを黙らせる
 シーシェパードが声明を出す際、必ずこの男の言葉が出てくる。ろくに動かないくせに自己顕示欲だけがある男の声よりは、最前線に立っている者の声を出す。なぜこのような活動に参加したか、LRADがいかに不快か、放水を受けた身で風を受けるのがどれほど辛いか、この辺を世間にアピールする。

日本鯨類研究所の対応に感心

この22日と23日、日本鯨類研究所がシーシェパードを映したビデオを公開した。
ビンの投てきは相変わらず、グリーンレーザーはカメラを狙って照射している、ア号は何をしたいのか良くわからないなど。男性の声による英語の警告、甲高い警告音、冷静な解説、よく頑張っている。

シーシェパードはWhale Wars の公開までは写真と虚言を小出しにするしかない。映像をいち早く公開して、Whale Wars の視聴価値をなくして欲しい。

ポール・ワトソンはやはり出てきた。22日の写真では意気揚々とビンを投てきしている。狙撃を受けたことのある人物にしては無防備すぎではないか?隣に控えているレーザー照射手は撮影の妨害をしたいのだろうが、全く役に立っていない。フィルタのないナイトビジョンや監視用カメラならハレーションや焼付け起こすかもしれないが、一般のデジタルカメラには効果がない。こんな陳腐な手段で支援者は満足しているのか?調査捕鯨の問題は国同士で交渉すべきだ。こんなペテン集団には金など与えてはいけない。

noseaevil
JUST SAY NO TO SEA SHEPHERD !

デインジャー!デインジャー!

シーシェパードの船舶、「スティーブ・アーウィン」は豪州の有名人からとられたものだ。2006年、アカエイに胸部を刺され亡くなったことはボクの記憶には新しい。なぜアカエイに胸部を刺されたのか疑問だったからだ。

彼はアカエイに近づきすぎた。あるページでは「アカエイは人をよく襲う」と記述されていたが、尾の付け根に後方に向かって生えた棘で積極的に人間を刺しにいくことは考えられない。アカエイは身を守るために棘を立て、鞭状の尾を振り回すしか抵抗手段がない。彼は水中でアカエイに覆いかぶさるように近づいたのではないだろうか。

彼はザトウクジラに近づきすぎたことでも非難を受けた。野生動物に近づきすぎることは禁忌である。日本では公開されなかったが、野生のグリズリーに近づきすぎて命を落とした男性をとらえたドキュメンタリ映画「グリズリーマン」もそのことについて警告している。人間は銃を手にしてはじめて彼らと対等になれる。

捕鯨の妨害活動だけでなく、人名を船名に掲げて活動するシーシェパードの行いには疑問を呈する。

不快な光と音波

シーシェパードがグリーンレーザーを照射した写真が公開された。グリーンレーザーポインタは民生品として多く出回っているが、各国ごとに基準や規制は異なる。光路が視認できる出力のものは現在日本国内では規制の対象となっている。直視すれば目に深刻な損傷を与える。日本側はこれを「攻撃」「妨害」としているが、シーシェパード側は「撮影」「距離測定」などいくらでも言い逃れできるだろう。レーザーを所持した船員はレーザーを点灯したままSI号の船体を照射しているが、ボクが船長ならこんな馬鹿は粛正する。「貴様、仲間を失明させるつもりか!」と。

レーザーにもインフラレッドレーザーなど視認できないが網膜に損傷を与えるものなどがある。Blinding Laser Weapon のように強力なレーザーを照射して視力を奪い行動不能にするものもある。これは米軍が車両上の機銃に装着して非武装の人間の接近を阻止している。レーザーでなくとも、照度の高いLEDライトでも同様の効果が期待できる。さらに点滅を加えると照射を受ける人間は不快感を覚える。南アフリカのメガレイ社の製品は日中でも投てき手や照射手を照射すれば行動不能にできるだろう。

シーシェパードはLRADの使用を非難している。ボクはLRADの照射を受けたことはないが、大音量の防犯用威嚇音を受けたことがある。たった十数秒の間だったが、反射的に耳を手で覆い口を開き声を漏らし身を屈めた。気分が悪くなり、配線をカットして音を止めた。二度と同じ経験をしたくはない。第二昭南丸のLRADがどのような内容の音をシーシェパードに照射しているはわからないが、レーザーよりは有効であろう。SI号は船体周辺をスパイクで囲っている。接近してきた際には躊躇することなく不快な音波を使用して欲しい。

恐ろしくつまらない捕鯨関係のページ

シーシェパードのSI号と日本の第二昭南丸の接近がようやく報道された。英語圏でポール・ワトソンはこちらは放水していない、「セキュリティフォース」の追跡を受けているなどと自分の顔写真を添えながらノリノリである。一方的に放水を受けた船員の苦痛を酌んでやったらどうか。追跡されているのに第二昭南丸を前方からとらえた写真は一枚もない。

日本側は法整備を急いでいるようだが、その前に関係者は捕鯨関係のページを整備していただきたい。「水産庁/捕鯨班 水産資源の持続的利用を考えるページ」はすでにリンクが切れている。関連ページのほとんどは「食べること」と「調査に対する不法なテロリズム」を訴えるばかりで恐ろしいほどつまらない。この項目はポール・ワトソンが干からびないとえんえんと増え続ける。ホエールウォッチングのように、船上からクジラの身体の一部だけでも観ることが喜ばれるのなら、そうした写真をトップに飾って欲しい。クジラの全身を知るのであれば、それに基づいた正確なイラストや図を一般に広めて欲しい。捕鯨の必要性を広める前に、クジラやそれらが棲む海を知ってもらう必要があるのではないか。
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危険なこと、汚れることが大好き
サメ野朗。

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