ドルフィンベェイスの生け簀が破壊される - 考えられる犯人像

1月4日、和歌山県東牟婁郡太地町のイルカを飼育する施設の網が破断されたという報道が出ている。
被害を受けたのはイルカと交流が可能な施設 ドルフィンベェイス で海上の生け簀の西側の二基が破断し7頭のうち4頭が生け簀の外に出たのち、3頭が戻っているという。
太地町には国内外から複数の反社会的集団がやってきて問題行動を起こしているが、今回は民間の飼育施設が被害を受けており、動機はドルフィン・プロジェクトの主張と一致している。


ドルフィン・プロジェクト

自称リック・オバリー(本名 Rechard Barry O'Feldman)の主催団体。シーシェパードとは異なり、哲学的な思想でイルカの捕獲と飼育に反対している。日本国内でイルカ漁とイルカの飼育に反対する エルザ自然保護の会、サークリットなどと協調しており、太地町の事情に詳しい。
2016年の12月30日に被害が認められていないことから、大晦日から正月三が日の間に犯行が行われたことになる。犯人が施設の様子を観察していたか、日本の事情に詳しく計画的に実行した可能性がある。

THECOVEオバリーがイルカを解放し始めたのはキャシーの死後6日後
THE COVE より
1970年にビミニ諸島のラーナー研究所のイルカの生け簀を破壊し逮捕された自称リック・オバリー(本名 Rechard Barry O'Feldman)。このとき、自称リック・オバリーはボートでイルカを追いかけ回したが生け簀の外に出ていかず自首したと主張。

THEBLACKFISHとリック・オバリー
2010年に太地町の生け簀を破損させたと犯行声明を出したオランダの The Black Fish のブログより。
2016年6月に自称リック・オバリーとオランダ国内で接触していた。

Iama

2016年9月1日10時ごろ、ドルフィン・プロジェクトに参加する日本在住の Heber Takemi Iama (パラオ共和国コロール州出身の岐阜県美濃加茂市在住)が facebook にアップロードした動画。海上保安庁第5管区いわみ型巡視船きい に異常接近した動画の他、ドルフィンベェイスの生け簀を撮影しながら持論をポルトガル語で主張する動画をアップロードしていた。水上オートとダイビング機材を所有していること、シーシェパードの活動に関心を持っていることを facebook 上に公表している。


森浦湾
森浦湾の様子
犯人は人気を避け施設の西側から接近したのだろうか。水上オートなど小型の船舶で接近することも考えられよう。今後はイルカ漁やくじらの博物館以外の警戒も必要となるだろう。

どのような理由があろうと、生け簀の損壊は罪である。イルカの解放を訴える連中はさっさと捕獲されたイルカを買い取り海へ返す計画を実行に移せ。それだけの資金を集めながらイルカの解放を実行せず、THE COVE などという映画を制作に興じた連中に大義などない。

ドルフィンプロジェクトを支持しない

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サラ・ルーカスとは何者か - 財務状況を公表しない訴訟目的の団体 Australia For Dolphins

本日25日、和歌山県東牟婁郡太地町のくじらの博物館が豪州人に訴えられた件が結審し、当ブログは多数の報道社や企業からアクセスを受けている。太地町側は原告らに対し11万円を支払うこととなったようだが、果たしてこれが正しいことなのかお考えいただきたい。

原告らは無許可でテレビ番組を撮影


サラ・ルーカスら
2014年2月、オーストラリアで放映されたテレビ番組。中央の男性は2015年に脳腫瘍で他界したゴールドマン・サックス・オーストラリアの役員のアラステア・ルーカスで、左の女性が娘のサラ・ルーカス(Sarah Lucas)である。番組はThe Killing Cove というタイトルで太地町や関係者を批判する内容であった。この映像の後、原告らは館側に注意され退出したが、後日訴状を持って現れた。
これについては館側が逆に訴訟を起こせたのではないだろうか?


財務を公表しない原告の主催団体

原告のサラ・ルーカスは太地町のイルカ漁や水族館が不当な利益を得ているかのような主張をしていたが、当人はどうなのか。原告が主催する オーストラリアフォードルフィンズ(Australia For Dolphins, AFD) は法的手段を用いて太地町のイルカ漁を停止することを謳っている。寄付も募っているが、団体の財務状況については公表を予定していた2014年を過ぎた2016年現在も公表されていない。

Australia For Dolphins financial

Australia For Dolphins のホームページより。Using your money wisely というが、2014年に公表されるはずの財務状況は2016年3月25日現在まで公表されていない。
故アラステア・ルーカスはケニアにシロサイを輸送するのに$100,000 を支出しているが、AFDは裁判に2年間費やし、原告が11万円を得ただけである。これで賢い運用がされたとでもいうのだろうか。

当初、670万円を請求していた原告は、裁判が進むにつれ330万円程度の請求へと妥協し、結果的には11万円を得ただけとなった。しかし、AFD はこれを勝訴ととらえ、成果を謳うだろう。

法的手段を乱用しても、このような結果であったということを強調しこの団体の存在意義を世界に問いたいものだ。


関連エントリ
サラ・ルーカスとは何者か - 毎日新聞の論点

説明すべき伊豆のイルカ漁 - イルカ漁を含め認定を

世界ジオパークネットワークが、静岡県伊豆半島の認定をイルカの追い込み漁を理由に保留していたことが報道された。南極海の調査捕鯨出航のこの時期は反捕鯨団体がネガティヴキャンペーンを行うことは例年のことであり、本件も伊豆に拠点をおく反捕鯨団体、個人からのリーク、マスメディアへの提供があったことが考えられよう。

静岡県の伊豆半島では、その特異な地形を利用し水産生物を捕獲する漁法が古くから編み出されており、現在確認されている文書では1691年(元和5年)からイルカの追い込み漁の分配記録が残っている。明治期には明治政府が調査を行っているが、すでに追い込み漁によりイルカが捕獲されていたことを、伊豆の村落は文書で回答している。

伊東市富戸の漁の始まりは伊豆半島ではやや後発の1898年のことであるが、世界遺産登録された伊豆の国市の韮山反射炉の建造が1857年であったことを鑑みるに、富戸のイルカの追い込み漁も長い歴史を持つと言っても過言ではない。イルカの追い込み漁の歴史を含めてジオパークとして認定するよう交渉をすべきだ。

富戸港
静岡県伊東市富戸漁協
和歌山県の太地町と違い、漁港内に遊覧船の発着、ダイビングスポット、定置網が混在し、追い込み漁を行うには様々な関係各所との連携が必要となる。加えて、漁そのものにもかなりのマンパワーを要するため、イルカの群れを発見しても容易には行えないという。

伊豆半島には和歌山県の太地町のように、イルカ漁の歴史を発信するものが残っていない。史跡、慰霊碑や文書などが残っているのにも関わらずだ。伊豆半島ジオパーク推進協議会、ことに同協議会会長の 佃 弘巳 現伊東市長はこれらについて調査し、世界ジオパークネットワークに説明すべきだ。イルカ漁を今後どうすべきなのかが議論ではない。それは、漁業者が決めることであり、ジオパーク推進協議会が決めることではない。

1960年10月22日のイルカ漁

本日10月22日中に紹介しておきたいことがある。55年前、静岡県伊東市川奈において行われたイルカ漁の貴重な映像がインターネット上で視聴できる。

【1960年10月22日】伊豆のイルカ漁
https://www.youtube.com/watch?v=1Jxm3UVBOvc

サラ・ルーカスとは何者か - 毎日新聞の論点

25日、毎日新聞が論点という連載でイルカ漁を取り上げていたようだ。著名な先生方のコメントの他、場違いな人物のコメントがあったため、この主張に対し反論する。

論点:イルカ追い込み漁と水族館
毎日新聞 2015年09月25日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20150925ddm004070019000c.html

まず、前葛西臨海水族園園長の西源次郎先生のコメント。西先生は日本の水族館の発展に大変尽力された方で、私自身も講義を受けたことがある。

次は鯨類に関する著作をお持ちの吉岡基先生のコメント。先生の名は鯨類の論文においてもその名を拝見することがある。

最後に当ブログでも取り上げている、Australia for Dolphins 代表のサラ・ルーカス(Sarah Lucas)のコメント。国内の反捕鯨団体はオファーを断ったのか、この人物がメディアに取り上げられるのは奇異なものである。
Australia for Dolphins は自称リック・オバリー(Richard Barry O'Feldman)やエルザ自然保護の会(代表:辺見栄)、サークリット(代表:坂野正人)、シーシェパードらが制作を主導した映画、 THE COVE の放映後に活動を始めた団体である。サラ・ルーカスはオーストラリアの資産家、アラステア・ルーカス(Alastair Lucas、2015年7月6日死亡)の娘で、団体は明確に太地町のイルカ漁を停止させることを謳っている。

以下はルーカスの主張に対する私の反論である。


高度な神経系や知能を持つイルカは、肉体的な痛みを感じ、恐怖や悲しみといった感情を抱く。これは科学的な研究で明らかだ。

肉体的な痛みを感じるのはイルカだけに限らない。感情とは外界に対する反応で、神経系を持つ動物すべてに言えることであり、ことさら「科学的な研究」などと強調する事項ではない。


漁では高速ボートでイルカを追う。必死で逃げ惑うイルカの中には、筋肉が破断したり、心停止したりするものもいる。

太地町で行われている追い込み漁は高速ボートで追うものではない。金属管の音で追い立て、鯨類の遊泳速度に合わせて湾へと追うものであり、その速度に追いつけない個体が途中で逃れていることや、湾内に入ってからも逃れる個体がいることを、追い込み漁に否定的な意見を持つ鯨類研究者の粕谷俊雄先生が著作に残している。「筋肉が破断したり、心停止したりする個体」の存在は氏の著作や漁業者の証言にもないもので根拠がない。


食肉用のイルカは(死に至る時間を短縮するために)ナイフで脊髄(せきずい)を突いて切断しているが、太地町では傷口に木栓を押し込む。湾内に血が広がるのを防ぎ、残虐さを隠すためだが、このためにイルカは徐々に死ぬことになる。最新の獣医学研究では、致死時間は少なくとも7分で、「トラウマや苦痛のレベルが最も高い」と結論づけている。

脊髄切断用の器具を栓と勘違いしているのではないか。最新の獣医師学研究の結論とやらがどこの誰のものなのか、ぜひ公表していただきたいものだ。


指摘したいのは、今日の追い込み漁が巨大なビジネスになっていることだ。水族館に売られるイルカには(最終的に)1頭4万ドル(約480万円)以上の値が付く。食肉用に年1000頭近くが捕獲されているが、こちらは1頭数百ドルにしかならない。イルカ肉は限られた地域で食べられるだけで、そこでさえ需要は減っているからだ。食料供給が漁の目的の一つという主張は筋が通らない。

指摘したいのは、水族館に売られるイルカには経費がかかるため高額になっているだけであり、巨大なビジネスではないということだ。サラ・ルーカスの父、故アラステア・ルーカスはケニアにシロサイを輸送するのに$100,000 を支払っているが、それと同じことではないのか。年間1000頭近くが食肉用に捕獲されているのであれば、かなりの需要が残っていると言えよう。


例えば水族館のイルカは水槽の中を必死に行ったり来たりし、昏睡(こんすい)したように力なく浮遊するなど、同じ行動を反復する。これはストレスと関連した行動で、野生ではほとんどみられない。

水族館は野生ではないのでそのような行動がみられないのは当然であろう。野生下では摂餌や水面の変化、外敵からの逃避など常に遊泳を続けなければならない状況であることを考えられないのか。


世界動物保護協会によると、生け捕りにされたイルカは3カ月で半数が死ぬ。短期間で死ぬイルカを水族館に毎年補充するために、追い込み漁が続けられてきたのが現実ではないか。

どの地域において、どの種のイルカを指しているのか。日本では水族館に搬入された個体が3カ月で死亡するという例のほうが珍しい。2015年時点で日本では500頭以上の飼育個体が確認されているが、過去5年の国内への補充数は年間60~70頭程度であり、その交換率は10数パーセントと野生下の死亡率と比べて極端に高いものではないと考える。


水族館やショーでなくても、日本では伊豆諸島の御蔵島で野生イルカと一緒に泳ぎ、自然に生きるイルカについて学べる。その方が、不自然な水槽の中で苦しむイルカを見るよりはるかに教育的だ。

では、御蔵島へ行かれたら良い。船の定期便はあるが、東京から6~7時間。気象条件により左右され欠航することもしばしばある。運賃は7000~20000円で移動だけで水族館の入園料の3倍以上。船酔いに耐えながらの弾丸ツアーでも2日は要する。野生下での生存競争に耐えられずに御蔵島に定住した個体群と泳ぐことが教育的だとは私は思わない。


もちろん、私たちは異なる文化には敬意を払うべきだ。だが、太地町でイルカの追い込み漁が始まったのは1969年で、古代からの文化や伝統ではない。たとえ「文化」だとしても、現代の価値観に合わなくなった文化は博物館で記録に残すことで人々の記憶の中に生き続ける。中止はむしろ、自然を敬い、動物を保護するという本当の意味での日本の伝統を守ることになる。

太地町でイルカの追い込み漁が始まったのは1969年ではない。1969年にはくじらの博物館への生体納入のために記録が残っているだけであり、明治政府の発足前から戦後漁協が編成されるまで網での捕獲があったことが記録に残っている。現在の追い込み漁以前は捕鯨砲や銃器による捕獲が主で、これらが制限されたゆえに現在の形式がある。これこそ時代によって姿を変えてきた敬意を払うべき文化であり、その捕獲実績は小型鯨類の生存状況を証明する貴重な記録でもあり、中止すべき理由はない。

サラ・ルーカスら
http://video.au.msn.com/watch/video/the-killing-cove/x080bq5 より
2014年2月9日にくじらの博物館への入館を拒否されたために670万円の慰謝料を請求したルーカスらだが、2014年2月14日に放映された映像にはサラ・ルーカス(左)、故アラステア・ルーカス(中央)の両名が博物館内にいる様が映っている。この映像は当初、博物館側が人種、思想などを理由に入館拒否をしなかったという証拠となる。このように敷地内で無許可でテレビ番組を収録するという迷惑行為を行っておきながら訴訟を起こすことがイルカのためになるのか疑問である。故人に鞭打つつもりはないが、ゴールドマン・サックス・オーストラリアの重役であったアラステア・ルーカスがこのような活動をしていたことには憤りを覚える。


WAZA や JAZA の決定を私は歓迎しない。本件では繁殖個体についても論じられているが、鯨類の種別の繁殖具合が分析されていない。例えば、日本では繁殖が極めて難しいゴンドウクジラやカマイルカも多く飼育しているが、欧米でははどうなのか。欧米では隣国とのトレードも可能であり、出生のロンダリングも行える。また、イルカの飼育を法的に放棄している国もあるが、宗教上の理由が関係していないのか。イギリスではビクトリア朝時代にイルカの飼育をしているが、雄の個体がしばしば性器を露出するということで飼育を禁じられた。そのような背景を持つ国は鯨類の飼育に否定的になるのは当然の成り行きであろう。
2015年、米国に500頭以上、メキシコに300頭以上、欧州に269頭、中国に294頭、その他の国に少なくとも900頭以上の飼育が確認されているが、これら飼育個体の出生はどうなのか?島国であり、食文化を持つ日本の追い込み漁だけが批判されるいわれはあるのか?

私は今後も漁業や水族館、研究を通じて鯨類と関わる人々を支援する所存である。


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太地から伊豆に伝わった五連装砲

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明治時代に最盛期を迎えたイルカ漁

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THE COVE ザ・コーヴ - 制作側へのさらなる調査

以前から THE COVE が疑似ドキュメンタリーであることを指摘しているが、海外でも的確な指摘がなされていた。





これらは昨年8月にYouTube にアップロードされた動画に日本語字幕が付加されたものだ。

動画を投稿したsachemoV さんのチャンネル
http://www.youtube.com/user/sachemoV
日本語に翻訳をしたredfox2667 さんのチャンネル
http://www.youtube.com/user/redfox2667

この動画は制作側の矛盾点を突いている。私もリチャード・オバリーの主張は独善的でミスリードを誘う恣意的なものであることを知っている。

オバリーは Flipper(わんぱくフリッパー)がイルカのショービジネスを築いたと主張しているが、それは一因に過ぎない。フリッパーの制作以前に日本ではイルカの飼育をしていた。世界初のイルカの飼育記録は、昭和5年(1930年)の静岡県の三津シーパラダイスの前身である中ノ島水族館だ。オバリーが生まれる10年も前の話だ。イルカの追い込み猟は水族館への生体の供給を主目的としたものではなかった。ゴンドウクジラはバンドウイルカやマダライルカなどとも群れをなし、捕獲対象ではないのにかかわらず混獲されてしまうことがあった。水族館はそれら鯨類の保護、救済手段として機能していた。オバリーらは日本の団体と協力してこれを潰した。エルザ自然保護の会と協調して静岡県の富戸で行われていたイルカ猟に圧力をかけ続けた。この一件には上の動画に登場するハーディー・ジョーンズも関わっていた。

THE COVE ZERO


現在のイルカのトレーナーを務めている人々は一部の人間が主張するような冷酷な人間ではないし、オバリーのような歪んだ人間でもない。生物を学び、餌となる魚を捌き、言葉の通じない相手に対してもリーダーシップを保ち続けられる能力を求められる。それでいて収入はそれほど多くはない。オバリーはそんな人々を貶めようとしている。

イルカショーには行っても良い。子どもを持つ人には、海に生きることに特化した哺乳類がいることをお子さんに教えるためにもショーを見てもらいたい。飼育で得られたノウハウは個体数を減らした鯨類の保護にもフィードバックされる。それを今必要としているのはメキシコだ。カリフォルニア湾に生息しているコガシラネズミイルカはわずか150頭ヨウスコウカワイルカに続いて本当に絶滅するのはこの体長1.5mほどのイルカだ。



プロフィール

D'z

Author:D'z
D'z(ダイズ、ディズとでも)
危険なこと、汚れることが大好き
サメ野朗。

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