サメは人を襲う

9日、オーストラリアで邦人がサメの襲撃を受け死亡したという報道があった。
近年、「サメはジョーズのように人を襲わない」という風潮で論じられることが多くなったように感じられるが、それは間違いである。一部の大型種は人間にとって脅威であり、条件が揃えばサメは人を襲う。

4D VISION ホホジロザメ


今回の事故を起こした種はホホジロザメかイタチザメであろう。両種とも体長は4 m を超える巨大なサメで、海面の生物を捕食する。ホホジロザメはトド、アシカ、アザラシなどの鰭脚類を襲い、イタチザメはウミガメや海鳥の他、海面に浮遊するものには何にでも喰らいつくという習性がある。したがって、波待ちをしているサーファーは捕食の対象となりえる。

サメは身体の側面にある側線から水中の振動を感知し、鼻孔内の嗅組織で臭いを嗅ぎ分け、視覚だけでなく生物が放つ微弱な電気信号をも捉らえて餌を探す。ホホジロザメやイタチザメがいるところに人間がいけば、いずれかの感覚で捉えられ彼らの捕食行動に曝される。ホホジロザメは波に乗って移動しているサーファーのボードにすら噛みつく様子が撮影されており、サーファーには絶対に安全という条件はない。事故が起こっている海域やサメの目撃がある海域でのサーフィンは控えるべきだろう。

ダイバーも絶対に安全ではない。過去に日本でもタイラギやミル貝を漁獲中の潜水士がホホジロザメに襲われ死亡したと思われる事故が起きている。漁獲した貝の臭いを便りにやってきたサメが捕食を試みたと推測されている。
嗅覚でサメが人間を襲ったと思われる事例は多い。スピアフィッシング中にホホジロザメの襲撃を受けたオーストラリア人のロドニー・フォックス(Rodney Fox)は、自身が襲撃を受けた理由を漁獲した魚を身につけていたからだと分析している。
2002年には海洋生物学者のリッチ・リッター(Rich Ritter)がオオメジロザメが危険ではないことを証明しようと、バハマの浅瀬でオオメジロザメの群の中に身を置いて撮影をしていたところ、左脚を噛まれ脹脛を失う事故が起きた。リッターも当時海中に魚肉片があったためにサメが捕食行動を起こしたと分析している。

サメを愛好する人が「サメに襲われて死亡する確率は交通事故や雷に打たれて死亡する確率より低い」という例えを持ち出すことがあるが、これは真に受けないでもらいたい。人間はほとんどの時間を陸上で過ごしているので陸上で起こる交通事故や落雷の統計と、海中で起きるシャークアタックの統計は単純に比較できない。海中で数時間しか活動しない人間が、年間数件のペースで命を落とすというオーストラリアの海の事象は甘く見るべきではない。

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サメ保護団体パンジアシードとは - ハワイ在住の人間による活動家の流入

現在、このブログには パジアシードという検索キーワードからのアクセスが集中している。27日に毎日新聞が報道した記事が発端のようだ。

記事によれば英国のコスメ販売店 LUSH が日本でサメ保護を啓蒙する商品を販売するキャンペーンを行い、その収益をパンジアシードに寄付するというものだ。

記事により、パンジアシードの設立者がハワイ在住の人間であることを知った。イルカ漁を批判した映画に出演したリック・オバリー(本名 Richard O'Feldman)を日本に招聘したのはハワイ在住で執筆活動や旅行業を営む日本人であったことは判明しており、パンジアシードにも同様の構造が見て取れる。後日、この件についての詳細を綴る。

シロシュモクザメ



香港の歩道に並べられた大量のフカヒレ

以前、気仙沼のゴシップ記事を書いた人物のこと記事にしたが、彼が戻ってきた。
真の意味でサメを守れ

しかし、今回は彼を非難するつもりはない。なぜなら私自身もその状況を確認できたからだ。

alexhofford
http://www.alexhoffordphotography.com/

ハフォードが7日にアップロードした映像は、香港の Fung Mat Road に並べられたフカヒレだ。ハフォードは以前気仙沼のゴシップ記事を書いたこともあり、当初はヤラセだと疑っていた。この程度のフカヒレなら10万円ほど出費して買い取って並べ撮影することぐらい私にもできると考えていた。

しかし、Google マップ のストリートビューで実際に Fung Mat Road の映像を見てみると、なんとハフォードがアップロードした画像よりも大量のフカヒレが歩道に並べられていたのである。これには私も驚いた。

このような映像を見てしまうと、サメも滅んでしまうのではないかと考えてしまう。ただ、「サメを保護しろ」「フィニングを止めろ」だとか騒ぐつもりはない。フカヒレにもサメ肉にも依存している人々がいる。サメはその習性からどうしても他の魚種に混じって捕獲されてしまう。サメと人と両方に目を向けながら、その打開策を見つけられないものだろうか。

シロシュモクザメ

サメに隠された麻薬

6月18日讀賣新聞の英字版日刊でサメに関する事件を見つけた。

16日、メキシコ海軍は冷凍サメの体内から計1トン以上のコカインを押収した。マスクをした海軍士官らが20匹以上のサメを解体した。


新聞では写真を見ることができる。ネット上でもAFPBBニュースで画像を確認できる。サメは冷凍されて鰭を切り落とされているので判別できないが、小さいものは吻や口の形からヨシキリザメではないかと思う。

サメの骨格は軟骨で、脊椎を除けばいじり易い。また臭いもある。人が忌避する物に隠したいものを隠す手段は常套手段である。

メキシコはカルデロン大統領就任から麻薬の撲滅に力を入れているが、麻薬に絡んだ殺人が急増しているようだ。取り締まりに対する報復は残忍極まりない。これに巻き込まれたくなければ、麻薬には関わらないことが一番だろう。

海賊はどっちか

早朝のラジオで興味深い内容があった。
ソマリアの海賊についてである。

今日ソマリア沖の海賊は、自動小銃、マシンガン、ロケット砲で武装し、エンジンを改造した小型船舶で外国の大型船舶を強奪、身代金を要求する凶悪な存在として報道されている。
2008年9月26日、T-72戦車33両を輸送中のウクライナの貨物船が強奪されたことは世界に衝撃を与え、今では日本を含めた世界各国が軍事作戦を展開している。

今回ボクにとって興味深かったのが、海賊が横行するようになった発端である。
ソマリア沿岸には、2004年から2005年にかけて起こったスマトラ沖地震による津波で、海洋投棄された産業廃棄物が押し寄せたというのだ。
海洋投棄を請け負う民間企業の報道を目にしたことがあるが、こうしたビジネスはすでに横行していたようだ。
無政府状態のソマリアでは海上の取締りが行われず、外国の違法操業や不法投棄が行われているという。
このためにソマリアの漁民は海賊に転進せざるをえなくなっているという。

このことが事実かどうかはわからないが、ソマリア沖が先進諸国の駆け引きの場になっていることは事実である。

自国で処理できないほどの産業廃棄物を他国に押し付け、海洋資源を根こそぎさらって喰らい、軍艦を派遣して軍事行為を行う。

海賊はどっちか?

不況とサメ

CNNが「不況でサメの被害が激減した」と報じている。

不況により人々が海でのレジャーを控えるようになり、サメとの遭遇率が低くなったためだとされている。
中でもサーファーの被害が過半数であったとなっている。

なぜサーファーなのか?

・表層を漂う動物を捕食するサメは大型種が多い。
・遊泳者やダイバーと違い大型種が自由に行き来できる辺りにいる。
・サーファーはダイバーと違い水中を視認できないため避難が遅れる。
・サーファーは必ずバディを組むダイバーと違い単独になり襲われやすい。

これらの点からサーファーの被害が大きくなっているのではないか。
ボク自身サーフィン中にサメのヒレを見ることはあった。
「ああ、シュモクの子供だな」「アオザメか?」程度の認識だった。
以後見知らぬ土地でサーフィンをするのであれば、気をつけたいものだ。
良い波なのに誰もサーフしていない。そこには何かいる。

盗まれたサメ

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危険なこと、汚れることが大好き
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