FN 次世代機関銃を発表 - FN EVOLYS

6日、ベルギーの小火器メーカー FN HERSTAL が MINIMI に代わる次世代の機関銃を発表した。FN EVOLYS は 5.56mmNATO 、7.62mmNATO の2機種であり、小銃のように取り扱えるウルトラライトマシンガンを唱っている。

装填方法が独特であり、フィードカバーが左側面で開閉できるようになっており、かつ装填不良を防ぎ、従来の機銃のように照準器に干渉せず、レフティの射手も装填しやすくなっている。
米軍の NGSW と同様に消音器の使用を前提としており、これにより味方との情報伝達が円滑になるという。
単発機能を有していることも特徴的である。重量と単発機能から小銃手と同じような作戦に随伴することができるのではないか。

個人的には銃身の交換方法について興味がある。MINIMI には保持用のハンドルが銃身に付随していたが、EVOLYS にはそれが認められない。あのハンドルは邪魔ではあるが、銃身交換が素早くできる構造には安心感がある。

我が国は 次期5.56mm機銃として MINIMI Mk.3 や MG4 を検証しているとのことだがこれはいかがなものか。中国人民解放軍の陸上勢力は我が方よりも交戦距離が長い弾薬を標準化しているうえ、機械化されており、従来の5.56mm 機銃では対抗できないだろう。インドは国境地帯において7.62mm の機銃ネゲヴ NG7 の配備を進めている。

FN HERSTAL は EVOLYS の発表プレゼンテーションで日本をユーザーとして地図上にプロットしていた。我が国の防衛や周辺事態を考慮した場合、これまでの体系を崩してでも新しいものを取り入れていく必要があるだろう。
FN EVOLYS がその候補となることがあっても良いのではないか。

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太地町で警戒すべき団体 - Life Investigation Agency と Dolphin Project

今季、自称 ヤブキ レン が主催する Life Investigation Agency と 自称 Ric O'barry が主催する Dolphin Project の連携を確認した。ヤブキは Dolphin Project に映像の提供をしていることが SNS で確認できる。

なお、一部報道機関が該当 NGO 提供の画像を使用しているが、この画像は違法に撮影された可能性がある。機体重量200g以上の無人航空機は航空法の規制対象であり、海上での飛行は複数の機関に飛行申請を提出する必要がある。

官公庁、報道局は NGO との関係を見直せ

ヤブキ が主催するNGO Life Investigation Agency は動物Gメンを標榜し、官公庁や報道局へ映像を提供、活動を行ってきたようだが、報道映像の転載や海外で活動に問題がある団体との提携など、活動実態に疑問がある。官公庁や報道局は同団体の情報提供等について慎重な対応をすべきだ。

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ウーブンシティの期待と懸念 - TOYOTA Woven City

12月9日、トヨタ自動車が新型FCV MIRAI の発表を行った。基本性能の向上のみならず、走行中に空気清浄を行うマイナスエミッションという試みは不安もあるが興味をそそられる。

新しい挑戦を続けるトヨタ自動車が、静岡県裾野市に技術実証都市 ウーブンシティ を建設するという。これについては期待もある一方、懸念も多い。


厳しい天候

この地を知る者としてトヨタ自動車に提言したいのは、ウーブンシティ建設地の天候は他の地域と比較し厳しいということだ。裾野市は富士山の南東に位置し、富士山から吹き降ろす風は気象を様々に変化させる。夏季は激しい雷雨、冬季は大雪をもたらす。

この地は積乱雲が急速に発達する。ゲリラ豪雨は一般家屋の雨漏りを引き起こすほどであり、雷はあらゆる電源系統や通信インフラを乱す。対策を講じなければ情報量の多い IT 関連のインフラは毎年水損、焼損することとなろう。

この地は雪も多い。平成26年2月には記録的な降雪があった。この時、東名高速道路、国道246号の交通は完全に麻痺し、多くの人々が車両を路上で放棄するにいたった。先進技術で制御されたインフラが、電力を主としたインフラが積雪に対応できるのか不安がある。


鳥獣被害

ウーブンシティ建設地は富士山の麓であり、動物が多い。私自身、この地では数多くの動植物を観察した。
この地で懸念される鳥獣被害は下記のとおり。


ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、ホンドギツネ、イタチ、ハクビシン、アナグマ
 市内の森林、道路に出没する。構造物や植生の破壊、糞による汚損、交通事故などを引き起こす可能性がある。屋外のセキュリティ関係機器の誤作動を引き起こすこともあるだろう。敷地内での捕獲は公的機関や狩猟経験者の介入が必要になるだろう。

ドブネズミ、クマネズミ、ヤマネ
 一般的に駆除、防除の対象だが、森林が多いため屋外からの侵入を防ぐのが難しい。衛生面でも駆除が必要だが、最も危惧しなければならないのが光ファイバー系の通信インフラである。齧歯類はなぜか光ファイバーを好んでかじり切断する。私自身、宅内装置の光ファイバーをクマネズミに3度切断された。

カワラバト、ハクセキレイ、イソヒヨドリ、ツバメ、イワツバメ
 これらは人工物に好んで巣を作り、糞や巣材により屋内が汚損される。一度巣を作るとなかなかその場を離れようとしないため防除が必要。私見だが、イソヒヨドリは積極的に屋内への侵入を試みる傾向があり、もっとも厄介である。

アブラコウモリ
 夜間、虫を求めて飛来する。冬季には暖を求め屋内に入ってくることが多く、天井構造物を汚損したり、電気的短絡を引き起こすことがある。超音波発生器が一時的には有効で防除は鳥類より簡易。何らかのウィルスを媒介する可能性があるため防除すべき。

シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ
 人に嫌悪感を与えるだけでなく、電気工作物内に侵入されると短絡を引き起こす可能性がある。

ヤガ、カメムシ
 これらは虫は照明に集まり不快なだけでなく、死骸となると処理がさらに不快である。蛾や甲虫は照明を求めて飛来し、屋内に入るとセンサー類の誤作動を引き起こす。冬季、虫は冬眠するものと思われているが、屋内では気温が高い日などにも活動する。


施設をいくらハイテク化しようともこれら動物を完全に防除することは難しい。ハイテク技術の人材だけでなく、動植物の専門家も招致してはいかがだろうか。


周辺環境

この地はやはり特殊である。特に際立つのが陸上自衛隊の東富士演習所だ。特科の演習時には雷鳴とも判別がつかぬ振動と轟音が発生し、航空機が上空を往来する。自衛隊のみでなく、米国海兵隊の C130 や MV22 も上空を往来する。
無線通信や無人航空機といった技術は双方の活動に干渉しかねない状況もあるのではないか。


2011年を忘れてはいない

2011年、東日本大震災からしばらく後、私は 豊田章夫 社長の記事を経済紙で目にした。当時、それがトヨタ東日本の東北へ移転や、ウーブンシティの建設だとはわからなかったが、私はトヨタ自動車の株式を所有するにいたった。トヨタ自動車への投資は東日本復興への一助となると考えたからだ。

私はウーブンシティについては懸念を抱いているが、富士山特有の障害を克服したとすれば、それは世界に通用する技術が生み出されることになるのかもしれない。

中国を非難できない豪州 - 豪州特殊部隊の戦争犯罪

11月末、中国外務省の 趙立堅 が twitter にオーストラリア兵が子供の首を切り裂こうとしているコラージュ画像を投稿したことに豪州首相スコット・モリソンが反発したことが報道されている。

2012年、アフガニスタンで行われた豪州特殊部隊員の犯罪はすでにオーストラリアの公共放送で公表され捜査も進んでいる。非武装で犬に制圧された無抵抗な人員にスラングを浴びせ射殺する様は、世界有数の精鋭とは思えぬ行動であった。
この映像は現在もインターネット上において閲覧可能である。

中国側の投稿はこの事案の発覚から時間をおいており、加えて画像がクソコラという極めて愚かなものであるが、豪州自体、過去にはこのような愚かな発信を行ってきた。
日本の南極海調査捕鯨に対してはグリーンピースやシーシェパードを庇護し、税関船の Oceanic Viking などで撮影した映像を利用した非難を行った。加えて国際捕鯨委員会では日本側の盗聴を行っていたこともスノーデンファイルにより明らかにされた。豪州が過去に行ってきたことは中国のそれと変わらないものであった。

もう一度言うが、中国側の投稿はこの事案の発覚から時間をおいており、加えて画像がクソコラという極めて愚かなものであるが、豪州側がこれに反応してしまったのでは救いようがない。殺害には加担しなかった者、勇気ある告発を行った者のためにもモリソンは慎重な行動をすべきだっただろう。

中国、印にマイクロ波攻撃の嘘

中国がラダック地方のインド軍に対しマイクロ波攻撃を行ったという報道が一部でなされているが、信憑性が低い。
第一発信者が誇大発言をすることで著名な人物であり、その発言内容には具体性が認められない。


人民解放軍はラダックを奪還していない

2020年6月には同地方で中国人民解放軍とインド側の部隊と衝突が起きている。8月にもインド側が防衛行動を行っているが、中国側は被害を報じておらず、同地域を奪還したとも報じていない。仮に今回の報道のように中国側がラダック地方の一部を奪還したとなればインド側は10月中にも大々的な行動を起こしていたであろう。インド政府も今回の報道を否定しており、インド陸軍はこの報道を FAKE であると発信している。11月11日には双方が撤退することを協議した報道があり、今回の報道はこれに乗じた一個人の虚偽の発信であることが窺える。


現実を無視した主張

第一発信者である中国人民大学国際関係学院副院長 の 金燦栄 は 「山の頂上があたかも電子レンジのようになった。高地にいたインド軍がわずか15分で嘔吐し、立ち上がれないほどになって退却し、中国軍が高地の奪還に成功した」 などと主張しているが、この言説は現実味に欠けている。

まず、軍事的に山頂に部隊を配置するようなことはない。稜線上は敵方から発見されやすいためインド側が山頂に人員を配置していたとは考えられない。仮に双方が小火器の使用を禁じ対峙していたとすれば、インド側は中国側の不審な動きを察知し行動を起こしていたであろう。

次に、マイクロ波は直進性の電磁波であるため、山の下方から山頂側への照射は現実的ではない。山の起伏により遮蔽されるため、直進性の電磁波を照射するにはインド側が中国側に部隊を曝している状況が必須である。マイクロ波は水で大幅に減衰するため、地形や植生を透過して人体に影響がでるまで照射するとなると相当な出力が必要となる。そのような兵器が存在したとなれば、電子機器の破壊が可能なレベルであり、中国はとっくにラダック地方の覇権を握っていたであろう。

southpangon.jpg
google map より一部のページが中国側が奪取したとするパンゴン湖南部の地形。
人民解放軍が15分も山頂に向けマイクロ波を照射している間にインド側はそれを察知し南北に部隊を分け斜面を下り平地の人民解放軍兵を撲殺していたであろう。


報道機関は事実確認を行え

今回の報道は 中国人民大学国際関係学院副院長 の 金燦栄 の 微博(ウェイボー) への投稿動画が発信源であり、なぜこのような言説を拡散するかのように日本のメディアが報じるのか。海外のメディアはすでにこれについて否定的な内容を報じている。報道機関は マイクロ波攻撃 などというような言葉を強調するようなことなく、慎重な報道をなすべきだ。

中国人民解放軍陸軍の新狙撃銃 - QBU-191精确射手步枪

10月、中国人民解放陸軍がチベットの部隊に QBU-191精确射手步枪 を配備したという報道があった。

QBU-191精密歩槍 はQBZ-191自動歩槍 と同一のプラットフォームのマークスマンライフルで、その性能については興味深いものがある。

有効射程 600~800m
使用弾薬 5.8×42mm
装弾数 10/30発
夜間視認距離 300m

従来の QBU-88 よりも有効射程が短くなっているが、銃身長の違いによるものと思われる。ブルパップである QBU-88 はその形状から10発弾倉を使用せざるをえないようだが、QBU-191 は30発弾倉の装填が可能である。これは米国海兵隊の M27IAR のように支援火器としての運用も可能な構造だ。

銃床は QBZ-191 同様伸縮が可能で、写真ではチークピースはない。QBZ-191 と同構造であれば銃床内部はスプリングが入っており従来の銃より反動が低減されているのではないか。

被筒部は八角柱型、ユニットレールの装着が可能なようである。

Wi-Fi 通信機能があるとの記述も見受けられるが、機能の詳細についてはわからない。


この手の小火器と相対した場合、5.56㎜NATO では対抗できなくなる可能性がある。ベルトリンク式の機銃の火力で制圧するか、7.62㎜NATO など射程を上回る銃で対抗することも想定しなければならなくなるだろう。


20式5.56mm小銃の懸念について - 89式小銃と64式小銃を再評価

防衛省が陸上自衛隊に配備する20式小銃を発表してしばらくたつが、個人的に20式小銃には懸念を持っている。


銃身長の問題

20式は89式よりも銃身長が大幅に短縮されているものの、有効射程は長いと発表されている。
銃身長が短いと閉所での扱いに有利であることもあるが、発射炎が大きくなることが懸念される。
米国陸軍のM249機銃の銃身を短縮したパラトルーパーモデルについて、飯柴智亮氏は Arms MAGAZINE に 銃身が短縮されたことにより発射炎が大きくなり自らが標的になりやすくなる 旨を寄稿していた。
発射炎の増大は暗所では照準にも影響する。暗視装置を使用した際、発砲炎が射撃に影響を与えないか検証が必要であろう。


槓桿が問題

やはり槓桿の構造に懸念がある。射撃時に大きく動作する槓桿は保持方法によっては指を負傷したり、偽装用の繊維を巻き込みかねない。
米国海軍特殊部隊の隊員も20式と同構造の SCAR についてこの点を不満としているようである。
銃右側面でしか槓桿を操作できない89式の構造は意外に優れており、射撃時に排莢口のクリアランスも確保できる。
中国人民解放軍の新型小銃 QBZ-191 も右側面にレバーがあるが射撃時には連動せず、レバーは排莢口の下部にあるため手指に干渉しにくい優れた構造となっている。
私は左右から操作可能な64式の構造が好きである。


排水性は銃の能力を左右しない

20式は 排水性が向上した とメディアは報じているが、この報じ方には違和感を覚えている。
小銃に防錆性は必要だが、排水性を求める必要があるのか。小銃を水中にもっていかねばならないような状況を前提とした運用は誤りである。我が国は島嶼奪還のために海上からの上陸しか手段がないと発表しているようなものであり、20式の開発が島嶼防衛を意識したとしたのであればこの発表の仕方は失敗だ。


M-Lok はグレネードランチャーを装着できるのか

20式公開時に Pietro Beretta の40㎜擲弾発射器 GLX160 も展示されていたが、これについても懸念がある。
M-Lok のレールでは強度不足で発射器を装着、発射することはできないのではないか。
擲弾発射器についての情報は公開されていないが、運用するのであれば専用の下部被筒が用意されていることを願う。


89式と64式を再評価

89式や64式は構造上の問題を指摘、批判されている。拡張性に乏しい、切り替え機構の構造に問題があるなどと言われているが個人的にはこれらは問題とは考えていない。

切り替え軸に関しては引き金の指を外さず常に操作ができる AR 系や HK 系の構造が理想のように言われているが、私個人は89式や64式のものに問題を感じていない。状況に応じて切り替えておけば良いのであり、切り替え時には引き金から指を外すので暴発も防げる。

89式は構造上 AR 系より反動が大きいようだが、構造が単純で良い。左右非対称の構造も欠点ではなく、左肩での射撃も手を入れ替えないパーシャルトランジションを行えば安定する。利き手でない方で長時間射撃するような状況は多くなく、アンビ構造である必要はない。

64式は銃床が短く長さのわりに構えやすく、閉所でも戦える。照門や照星が意図せず可動したとしても近接戦闘では目測で照準が可能な構造となっている。
5.56x45mm では対処できない状況で 7.62x51mm の64式が必要となることもあるのではないか。

弾薬の完全互換を求める識者もいるが、64式が現存していることは 5.8x42mm の弾薬を更新できていない中国に対する抑止力ともなろう。

20式が89式や64式のすべてを代替できるものではない。
異なる機能と性能を有する火器を適切に配備してこそ強力な部隊を編成できるであろう。

新小銃と新拳銃の懸念について - 20式5.56mm小銃 と SFP9

防衛省が陸上自衛隊に配備する新型小銃と新型拳銃を一般公開した。
これにより詳細が明らかとなったため、懸念事項を挙げておきたい。


20式5.56mm小銃の懸念

銃床はオーバースペック

銃床はチークパッドの調整も可能であるが、私個人は不要と考える。短縮されたカービンライフルでマークスマンライフルのような精密性は不要であり、照準器側の位置を調整すべきだ。
そもそもガスマスク等を装面した際には銃床に頭部を依託できない。複雑な銃床を新造、標準化するよりも、簡素なものを標準化し、特殊用途の銃床を少数配備、交換できるようにしても良かったであろう。
射手や装備に合わせ銃床を調整できることは良い。ただ、チルト側の調整まで可能になってしまうと、射撃数の少ない陸上自衛隊において個々に最適な位置を見出すことが難しくなってしまうのではないか。


既存規格の被筒部

被筒部のレールはMAGPUL の M-Lok 規格のようである。
しかし、私はこの基部の形状を好きではない。被筒部を八角形にすれば保持しやすく、八面にレールを装着できたはずだ。
20式では被筒部の四面しか使用できず微妙な位置調整にはアタッチメントが必要だ。


グリポッドは必要か

公開時には二脚付握把を装着していたが、遮蔽物を利用した射撃の際に障害となる、従来の二脚より安定性に乏しいなどの問題がある。AR系の銃のようにマグウェルが拡張されているため、弾倉基部を握って対応することが多くなるだろう。
個人的には握把は不要と考える。


槓桿の位置に懸念

槓桿が左側面にあるが、私はこの構造を好きではない。初弾の装填を銃線を維持しつつ素早くできるという利点はあるが、部品数が増し、障害時にボルトの操作が難しくなる。
カラシニコフや64式、89式はボルトとハンドル部が一体化しており、直接操作することができる。薬室を視認しながら操作できる構造は安全面で優位だ。ハンドル部が射撃時に可動することは危険でもあるが、排莢口のクリアランスを保つ癖ができるので良い。
20式の槓桿はSCAR のように連動するようだが、銃左側面にも注意を払わねばならなくなる。これは危険な構造だ。


ボルトキャッチの操作性

20式には左右両面でボルトキャッチを操作できるようである。この構造は珍しく、操作性は良さそうである。89式は左面にボルトキャッチがあるが、操作部が小さいうえ、ボルトの力が強いため固定も解放も難しい。利き手とは反対の手でリリースをしなくとも良い20式の構造は非常に興味深い。


PMAG の使用を許可するのか

弾倉は MAGPUL の PMAG であった。
PMAG は米軍内でも使用の可否について揉めていたようだが、PMAG の使用を許すのであれば厳重な管理が必要になるのではないか。
PMAG は独特な形状であった89式のものと違い、米軍や民間で多量に流通してしまっているため、それらと混じると判別が不能になってしまう。
例えば 弾倉の紛失を隊員が米軍の放出品で自弁した などというあってはならない事案が起こりえることは容易に想定できるのだ。


アドオン式擲弾発射器は必要か

今回の報道ではアドオン式のグレーネードランチャーも展示されていた。なぜ Pietro Beretta の GLX160 なのか、この種の発射器を敬遠してきた防衛省がこれを展示した意図は不明だ。
銃一体型の擲弾発射器は歩兵の火力を大幅に増すように思われるが、使用者の射撃精度と体力を著しく奪う。また、使用者が死傷、武器を紛失した場合40㎜擲弾の利用が不能となる。
運用にあたって現場の人員に負荷がかかるようであればアドオン式の発射器は不要であると考える。


銃剣は必要か

20式は着剣可能である。
近年、諸外国の軍隊が銃剣戦闘訓練を削減しているため、銃剣不要を唱える識者がいるが、私は銃剣を必要だと考える。
閉所などでは味方を殺傷する危険があるが、着剣が必要になってくるのは制圧後であろう。
銃弾の破壊力を認識していない者は銃を恐れずに抵抗してくる可能性がある。興奮状態にある者、薬物使用者らは特にだ。鋭利なものはそういった連中にも心理的なプレッシャーを与えられるうえ、殺害してはならない状況下では銃弾よりも銃剣で人体に損傷を与えたほうがまだ延命できる可能性があるからだ。
20式用銃剣はワイヤーカッター機能をなくしているということだが、当然であろう。鉄線鋏カバーなどというゴミを精鋭の人員に管理させるべきではないし、私ならばケーブルカッターを持っていく。


SFP9 について

SFP9 については以前から懸念していたが、マガジンリリースが思ったほど使い勝手のいいものではなかったようだ。
公開された動画では引き金から人差し指を外し、その指でレバーを押下、弾倉を外している。
私はレプリカで握把を最小に設定して試行錯誤を繰り返したが、握りを緩めずに弾倉を外すことはできなかった。


次世代までの繋ぎの銃

今回の新小銃も新拳銃も戦局を一変させるようなものではない。米陸軍は次世代分隊火器NGSW(Next Generation Squad Weapon) のトライアルを行っており、弾薬の一新を図ろうとしている。
人民解放軍は5.56mm NATO よりもわずかに優位性がある 5.8mm DBP の改良を継続、新小銃 QBZ-191 を配備し始め、20式やSFP9 だけでは抑止力として極めて弱い。
操作性だけに限って言えば89式や64式の被筒部と銃床の改修でも事足りたように思う。

弾丸が変える現代の戦い方(二見龍、照井資規 著) という著書に新小銃について言及されており、共感できる部分があった。照井氏は 自衛隊を近代化するには銃剣を廃止し、7.62mm ブルパップ小銃、7.62mm軽機銃、7.62mmリモートウェポンシステム対応車載機銃を制式化、5.56mm を廃止すること と主張している。
私は銃剣と5.56mm 廃止には反対だが、7.62mm の拡充、ブルパップ小銃の限定的使用をしても良いと考えている。
(ブルパップであっても銃剣戦闘は可能であり、照井氏のいう有望な7.62mm のブルパップ小銃はイスラエルのTABOR 7 ぐらいしかなく、氏の主張はリスクが高すぎる。)
正規戦の撃ち合いではやはり火力が必要であるが、山中や市街地に潜伏したゲリラコマンドの掃討には5.56mm が必要だ。

89式に代わる次世代の小銃まで20式は繋ぎとしかならないだろう。
次世代の小銃は低コストでありながら敵方よりも優位性を示し、使用者の経験をフィードバックした操作性の良い銃となることを願う。

富士川の濁りの原因は何か - 早川水系の工事に注目

所属が変わり、再びこの地に戻ってきた。
昨年末より気になっていた、静岡県の富士川の汚濁について調査したい。

2020年2月3日、静岡県と山梨県は濁りの調査結果を発表したが、原因については記載しないとした。
昨年にはニッケイ工業株式会社等が土類を投棄していたことも発覚したが、両県は原因について明言を避けた。
静岡県側は雨畑川上流からの土砂流入の可能性について言及しており、これを確認することにした。

現在、私は水質調査キットやその権限を持っていないが、透明度を目視で確認することとした。
静岡県の蓬莱橋から山梨県の富士川大橋までを目視で確認した。
灰色がかった濁りは明らかに無機的な汚濁である。これが発表にあったように早川との合流地点まで続く。
これについては Google map の航空写真を見ても明らかである。

富士川早川合流

左方が早川、右方が富士川本流である。早川側から汚濁した水が流れ込んできていることが明白である。
富士川はこれより上流に行くにつれ青や緑を帯びた濁りへと変化していった。

早川沿いに移動すると、河川工事の多さに驚愕した。河川敷は重機や大型運搬車が移動できるよう埋め立てられており、本来の流域は完全に失われていた。これはニッケイ工業の投棄物の撤去作業とは異質のものに見えた。
雨畑ダムまでの道路、山梨県道810号雨畑大島線は狭く、崩落、転落、落石の危険性が高いこの道路を大型のダンプカーが往来する。
濁りは雨畑ダムでは終わらず、上流から濁った水が流れ込んできていた。雨畑湖では道路工事が行われており、さらの上流を確認したかったが時間の都合で切り上げた。

雨畑ダム

不法投棄が行われたニッケイ工業周辺は高低差があり沿道からは全景を視認することはできない。
雨畑ダムの水はすでに濁っており、さらに上流で汚濁があることが推測された。


山梨県側の調査には疑問

2020年3月31日、山梨県は調査結果をホームページに公表したが、私はこれに異を唱える。

雨畑ダムやニッケイ工業が原因と唱えられている中、なぜ雨畑川下流に調査地点を設けていないのか。
流量の調査も必要だ。流量の変化があれば、従来流れなかった粒子がウォッシュロードとなっている可能性がある。
雨畑川、早川では人為的に河川の流れが現在進行形で変えられている。環境基準以下の数値は免罪符とはならない。

サクラエビの不漁との関連について両県とも原因不明としているが、サクラエビは汚濁の影響を非常に受けやすい生物である。植物プランクトンの不足、粒子の過剰摂取による沈殿死、生物発光を視認できず生殖行動に影響がでていることなどだ。
サクラエビに限らず、河川を遡上する魚類にも影響がでていることも考えられる。魚類は嗅覚により生まれた河川に戻るものがあるが、急激な汚濁は魚類の視覚や嗅覚に影響し、遡上を妨げられている可能性がある。


富士川は、水の汚れが少ない、清らかな川です。

山梨県のホームページではこのように結ばれているが、果たしてそうであろうか。
漁業関係者の証言や過去の映像からはそうは思えない。
調査の継続と環境リスクの低減を両県には実行していただきたい。

新拳銃 SFP9 の操作性 - 構造の細部に懸念

防衛省が新拳銃に採用を決定した Heckler & Koch の SFP9 のレプリカから構造上懸念される問題がわかった。
私は実包を扱う立場にはないが、構造上の問題は下記のとおり。

レバーリリースのマガジンキャッチ
Hk のモデルはレバーの操作で弾倉を外すことができるが、USP や Mark23 よりも改良されているものの、SFP9/VP9 においても操作性がボタン式のものより劣る印象があった。私はやや指が長いと言われるが、それでもレバーの操作には握りを緩め手首を捻らねばならない。

照準が左右にずれる可能性
Hk の拳銃の照準には点が刻印されており視認性が良いが、照星がやや細く左右に照準がずれる可能性がある。他社の拳銃に熟練した射手、特に旧P220 に慣れた射手は照準に違和感を感じるかもしれない。細い照星は標的が隠れないという利点はあるが、照門の左右を等間隔に合わせるという見出しが必要になる。SIG SAUER P6 から SFP9 に更新したベルリン警察が射撃精度を問題視したのはこの点が一因ではないだろうか。
なお、照星後端とスライド間に若干の隙間があり、ここに衣類や装具の繊維がひっかかる可能性を私は懸念する。個人的には浸透性がない樹脂成分でロウ付してしまいたい。

左スライドリリースに問題
SFP9/VP9 は左右対称のアンビ構造を利点としているが、私にはその恩恵を感じられなかった。右利きの場合親指で操作するスライドリリースは小さく操作性が悪い。逆に左利き用の右スライドリリースの方が操作しやすい。個人的には P220 や Hk の旧モデルの方が圧倒的に操作しやすく感じた。
なお、Hk が特許を取得したというスライド後端の突起の恩恵はまったく感じられなかった。

プロフィール

D'z

Author:D'z
D'z(ダイズ、ディズとでも)
危険なこと、汚れることが大好き
サメ野朗。

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